2017年4月7日金曜日

3月21日(火)ぼくらはそうやって大人になる

 朝から雨。
 朝イチで、善通寺へ。
 ミムラのパン屋で朝ごはんのパンを買う。ここのは、昔ながらのザ・菓子パン。
 飲み明けの有希を迎えに行く。
 帰宅後は通常業務。
 昼休み。Eテレ「100分de名著」宮沢賢治の特集をみる。
 彼の作品は、後年の研究者が発掘したものも多い。有名な「雨ニモマケズ」は、その最たるもの。手帖に書かれたその文章は、「詩」というよりも賢治の「心情吐露」に近かった。それを「詩」として表に引っ張り出してきたのは研究者である。宮沢賢治本人ではない。彼が生きてたら、それを「詩」として扱われるのを不本意だと思ったに違いない。だからぼくは、「宮沢賢治」という名前を出す時、真っ先に「雨ニモマケズ」を代表作としてあげる人たちがきらいだ。「詩」として素晴らしい作品なら、他にたくさんあるのに…。
 また、この文章が政治利用された旨も指摘していた。戦争中、食べるものがなくひもじかった時代。質素に暮らすことを日本人の美徳とするためのキャンペーンとして、この文章が教科書に使われたという。原文にある内省的な側面が、自発的な覚悟と置き換えられた。言葉というものが、解釈次第でどうにでもなるという一例である。
 童話「なめとこ山の熊」では、「仕事」と「労働」についての現実にも言及された。危険に身を晒して熊を狩る小十郎の「仕事」は、彼にとってものすごく崇高で価値があるもの。生きがいにさえ感じている。それなのに、荒物屋の主人は小十郎の捕って来た熊の毛皮を安く買い叩く。到底、対等な取引とは云えない。そこに見られるのは、「労働」に対する搾取の構図。これはまるで、現代のブラック企業そのものじゃないか。そんなことを思った。
 午後遅くに、雨あがる。
 納品2件。
 夕方、愛犬つぶと散歩。1時間ほど。

 
 晩ごはんは味噌鍋。
 TVドラマ「カルテット」の最終回をリアルタイムでみる。この脚本が特徴的なのは、ドラマチックな事件や出来事が起こっても、登場人物の誰も過剰な反応をしないというところ。わざとらしく盛り上がることをあえて避けているかのようにも見える。スルーしたり、なぜかみんな「そんなもんだよね」と自然に受け入れたりする。現実世界に当てはめてみたら、実際にそんなものかもしれない。クールな現代人は特に。主題歌の歌詞ではないけれど、みんな『大人』なんだろうな。
 とにかく、面白いドラマでした。1クール、どうもありがとう。

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