2017年3月20日月曜日

3月18日(土)レコードの音に酔いしれるための時間

 連休初日。
 午前中いっぱいは、子犬たちの世話。気がついたら、いつの間にか昼を過ぎていた。
 友だちが働いている善通寺の「宮川製麺所」で昼食のうどんを食べ、四国学院大学ノトススタジオへ向かう。
 市民劇「私たちの街の記憶」鑑賞。舞台に立つ何名かは、一般市民の方たち。演出家の西村和宏さんが、演者ひとりひとりから経験談を聞き、それを脚本に落とし込んだ作品。
 ぼくはまたしても、泣いてしまった。どうやら、『実話』に弱いのかも。ここでこんな日記をつけているのも、まさにそういうことだし。(どういうことやら。)
 一般の方で出演されていた渋いおじさまの話が、いちばんツボだった。フォークブーム全盛期にコンサートをやって人気者になった青春時代。サラリーマンになって転勤した先で生涯の伴侶と出会った話。
 もう一人の一般の方は、善通寺に生まれ育った品のいいおばさま。善通寺がまだ賑やかだった子ども時代、お洒落な駅前のレストランで両親と洋食を食べた話。気丈だったお母さんの介護を10年間やって、無事見送った話。
 彼らの他は、まだ「若者」と呼べる世代の演者ばかり。もちろん、その世代にはその世代なりのエピソードがあるんだけど、より説得力があるのはやはり、長い人生の時間を積み重ねてきた人のエピソード。ある種の郷愁感とともに。


 観劇後は、善通寺の甘味茶屋「sarisari」へ。やはり、ここのパフェがいちばん。期間限定、苺&小豆の抹茶パフェ。大満足。


 一旦帰宅。有希は子犬の世話、ぼくはつぶの散歩を。今日は35分。
 お気に入りのレコードを鞄いっぱいに詰めて、まんのうのカフェ「numar」へ。今夜は、ぼくがディレクションを手がけるイベント。

 「ぬまの持ち寄りレコード鑑賞会」


 参加する人にお気に入りのレコードを持って来てもらい、夜7時から10時までの3時間、1曲づつ順繰りにレコードをかけ続けようというイベント。(曲の解説はしないけど、ジャケットは見えるように立て掛けておく。)ジャンルにはこだわらないので、多種多様な音楽が聴けてとても楽しい。
 愛犬の妊娠・出産-子犬の育児に手を取られ、しばらくお休みしてたけど、今日からまた再開することにした。レコード人口を増やさんべく、コンスタントにやっていきたい。

3月17日(金)子犬の世話に明け暮れる日々

 通常業務。
 夕方、愛犬つぶの散歩。40分。
 その後、高瀬のぱん屋さん「とことこ」へ。レコード鑑賞会はたちまち明日だけど、チラシを配架してもらう。もちろん、ぱんも買う。店主のケンイチさんとは、近況とかこれからしたいこととかをお互いによく話す。彼がしたいと考えている春のイベントに、ぼくも参加できたらいいな。


 子犬が早朝から鳴くものだから、寝不足の日々がずっと続いてる。手がかかるのは、産まれたすぐよりも今現在。生後7週目。
 うんこはなるべく、した直後に片づける。子犬たちが踏みつける前に回収したいから。しかし、タイミングが測れない。まだ決まった場所では用を足せないので、全面に敷き詰めたペットシーツも取り替えるのが一苦労。歯も本格的に生えてきたので、甘噛みだとしてもだいぶ痛い。
 考えるにつけ、動物ってよくできている。赤ちゃんが無条件に『かわいい』のは、親や群れから庇護してもらうためなのだ。かわいくなければ、ただの苦行だもんね。
 今日も、有希の実家からいただいたもので晩ごはん。こういうのがいちばんありがたい。働きながら、家事をしながら、育児をする人の気持ちがとてもよく解かるようになった今日この頃。
 10日ぶりに、子犬たちの体重を量る。白い毛色の「もも」は3.4kg(10日前より+1kg)。茶色い巻き毛の「くり」は3.8kg(10日前より+1.1kg)。茶色ストレートの「かき」は3.7kg(10日前より+1kg)。「もも」と「くり」「かき」が逆転してるのは変わらず。

3月16日(木)宮澤賢治は元祖マルチメディアアーティスト

 通常業務。
 夕方、愛犬つぶの散歩。1時間。
 晩ごはんは、有希と居酒屋「とくしげ」へ。平日なので、わりと空いてた。
 Eテレの「100分de名著」が宮澤賢治を特集しているので、毎回みている。原田郁子さんの朗読が、またいい。彼女の在籍するバンド「クラムボン」のネーミングって、宮澤賢治の詩からきているらしい。初めて知った。
 宮澤賢治が音楽家でもあったことは知っていたけど(「星めぐりの歌」は名曲)、詩の一節が楽譜になっていて、歌がついた詩まで作っていたことは知らなかった。朗読の際に、原田郁子さんがオルガンで弾き語っている。宮澤賢治は、れっきとした「マルチメディアアーティスト」だったんだなあと今更のごとく。

3月15日(水)噛んで世界を知るということ

 通常業務。
 午前11時過ぎ。有希のお父さん・ひとしさんが子犬を見にやって来る。子犬たちは、噛み噛み期。歯が伸びるのがかゆいのか、何でも噛み噛みしている。ひとしさんの指もまた然り。


 折角なので、ひとしさんにウチの両親を紹介する。こちらもまた初対面。挨拶だけに終始したけど、やっと紹介できてよかった。
 お昼はひとしさんを伴って、有希と3人で三好うどん。
 夕方、愛犬つぶの散歩。今日は40分。
 夜。OKKI一家が子犬たちと戯れにやって来る。たっぷり2時間ほど。飽きない。
 晩ごはんは、OKKI一家と丸亀のcafe la taupeへ。つぶは子守りですっかりへとへとらしく、絨毯に転がってずっと寝ていた。

3月14日(火)それぞれの日常こそがほんとうのオリジナリティ

 通常業務。納品1件。
 午前中。有希のお母さん・よりこさんが子犬を見にやって来る。出産翌日に来た時、気が立っていた母犬つぶに威嚇されて叶わなかったので、ようやっとのリベンジ。無事、対面を果たす。
 お昼休み。「スピッツベーカリー」と「DEMI 1/2」と「LAZYBONES」にレコード鑑賞会のチラシ配架をお願い。
 DJを始めて、20年くらい経つだろうか?DJをやる以前にも、ぼくの関心はその辺にあったらしい。いとこにダビングしてもらったカセットテープや、ラジオのオンエアをチェックして録音したカセットテープ。その中で、特にくり返し聴いてすきだったのは『踊れる音楽』だった。最近、それをよく思い出す。インターネットで曲タイトルやアーティスト名を検証しては、該当曲の入ったCDを改めて買う。
 今日届いたのは、VIBRASTONEの「ENTROPY PRODUCTIONS」というアルバム。この中に収められている「ジェット・コースター」という曲が、ずっと耳にこびりついている。近田春夫によるファンキーなトラックをバックに、黎明期の日本語ラップがのる。
 最近目まぐるしい活躍をしているアーティスト「水曜日のカンパネラ」を聴くにつれ、この時代の日本語ラップを彷彿とさせられる。良くも悪くも刷り込まれてきた「ラップ」=『抑圧された若者からの社会的なメッセージ』という固定観念が、1周回ってようやく払拭されつつあるような気がする。(歌の歌詞と同じで、別にラップがどんな内容でもいいじゃんというのがぼくの考え。もちろん、抑圧からの解放という内容も重要だとは思っている。)
 夕方、愛犬つぶと散歩。今日は1時間。
 晩ごはんは、有希作のイカスミパスタ。レタスとアボカドのサラダも一緒に。
 TVドラマ「カルテット」をリアルタイムでみる。相変わらず面白い!坂本美雨が出演すると聞いていたのに、どこにも見つけられなかった。「あれ?」と思って再度確認したら、まさかの演歌歌手役とは…。全然判らなかった。しかも、唄っている曲のタイトルが「上り坂下り坂ま坂」で、唄っているのも実は坂本美雨本人!ダジャレか!!してやられたりー

3月13日(月)音楽のクレオール化

 通常業務。
 午前10時の休憩時間に、詫間は大浜にある友人のぱん屋さん「空to海」へ。レコード鑑賞会のチラシ配架依頼とお昼ごはん用のぱんを買う。入る直前に、高瀬は「茶の木」の店主にも偶然遭遇。チラシを託す。
 お昼休み。まんのうのカフェ「numar」にチラシを届ける。片道30分。往復1時間。お昼の休憩時間をまるまる車移動に費やす。(お昼ごはんは、運転しながら「空to海」のぱんを頬張った。)
 仕事終了後、善通寺にある雑貨屋さん「カガラカン」へ。だいぶ前に依頼を受けていた店内BGMの選曲CDを、ようやく手渡す。明日がちょうどお店の2周年ということなので、それに合わせて。


 カフェラテを飲みながら、選曲意図を説明。そのうち、店主のパートナーさんも来たので、軽くおさらい解説。みんなでひとしきり聴く。よろこんでもらえたようで、よかった。ギャラもいただく。
 夜ごはんは、有希が実家からもらってきたあいなめの唐揚げとめばるの酢漬け。白米ごはんと、春菊のみそ汁を添えて。

3月12日(日)取り残されている建物こそ、街の財産

 休日。
 有希の所属する舞台の制作集団「シアター・デザイン・カンパニー」が、多度津で街歩き(フィールドワーク)をするというので、ぼくも愛犬のつぶと一緒に参加。
 まずは、「赤いはりねずみ」という名前のレストランでランチ。ちょうどお昼の混んでいる時間帯だったので、おしゃべりしながらのんびり待つ。ドイツ料理の店らしいけど、どこがドイツなのかイマイチ解からず。「洋食」という方がしっくりくる。
 おなかいっぱいで、すでに動く気力が失せかけていたが、とりあえず歩く。腹ごなし。
 前を通るたび気になっていた洋館は、現役の病院。
 



 玄関横にはヘラジカのオブジェ。愛嬌のある顔をしている。


 多度津には「多度津工業高校」という高校があったのだけど(現・多度津高校)、ぼくと有希はそこの卒業生。8歳違うので学内で会うことはなかったけど、ふたりとも同じ音楽部だった。かつて、ぼくが音楽を作るために使っていたパソコンは、そのまま部室の片隅で埃をかぶっていたらしい。(高校生の時に、音楽部顧問の先生がぼくにパソコンを用意してくれなかったら、ぼくは音楽制作ができるようになっていなかったはず。時代はちょうどDTM黎明期。楽器の演奏ができなくても、プログラムさえ打ち込めば音楽が作れた。YMOからこっち、ようやく一般人にも手が届くようになっていた。)
 卒業した数年後に1度だけ再訪したことがあるが、それからゆうに20年は足を運んでいない。まさか今回、街歩きの途中で、パートナーと愛犬を伴って再訪することになろうとは。
 感慨無量。


 ただし。日曜日なので、校舎は閉鎖中。グランドでは、野球部が練習試合をしている。それを脇目に、敷地内をぐるりと散策する。幾つかの校舎が新設されている以外は、すべて昔のままだ。音楽部の部室も、同じ場所のまま変わっていなかった。
 「懐かしい…」
 ふたりの、不思議な縁を想う。


 JR多度津駅を経由して、旧こんぴら街道に入る。
 昨年8月にできたばかりの雑貨店「tetugakuya」へ。ヨーロッパの古いアンティークを中心に、雑貨やリトグラフなどを扱うお店。
 一歩足を踏み入れたところで、球体関節人形作家のヒロミちゃんに偶然遭遇。「やあやあ!」
 店内にある古い足踏みオルガンを弾かせてもらったり、おしゃべりをしたり。
 近々、ちょっとしたカフェスペースもできるそうだ。街の文化的なサロンとして機能したらいいな。


 名残を惜しみつつ、街歩き再開。


 高校在学中ですら来たことのなかったエリアを、そぞろ歩く。 
 かつては商店が両脇に軒を連ね、賑やかな通りだったのだろう。造り酒屋や旅館と見られる建物、果ては銭湯に至るまで残されていた。もちろん、今はどこも営業してない。
 寂れていく古い街は、そのうち新しい建物に侵食される。更地になったと思ったら、後には景観にそぐわないぺらぺらの建物が建つ。そうして、街の歴史や伝統は歯抜けになってしまう。そういう街からは、魅力もどんどん殺がれていく。『新しければいい』のは、その建物に暮らす人だけだ。
 「景観」という曖昧模糊とした要因に、どう行政が介入するかは大きな課題だけど、古ければ古いほど大事にしてほしいと思う。一度壊したが最後、長い時間の集積で醸し出されている魅力はもう二度と取り戻せないのだから。


 街おこしで有名なある先駆者が、その講演で云っていた。「何んにも手付かずでまるまる取り残されている街こそが、街おこしの最先端なのだ」と。多度津はまさに、そういう街だ。


 夜ごはんはおうちで。久々のキムチ鍋。うまし。

2017年3月12日日曜日

3月11日(土)深夜まで開いている珈琲ショップを目当てに、ぼくは1時間30分の道程を車で移動する

 休日。
 だらだらしてたら、すでに昼過ぎ。急いで準備して、有希とつぶと外出。
 詫間にあるカフェ「ルポ」のテラス席でランチ。日射しはもうすっかり春。ぽかぽかとあたたかい。


 有希はタコライス、ぼくはチキン南蛮を。デザートは、くるみのタルト。


 有希が家で子犬番をしてくれるというので、ぼくはひとり庵治に向かう。
 まずは、アンティークショップ「dodo」へ。ヨーロッパの古い家具や建築部材・道具なんかが所狭しと並べられている。欲しいものはあったけど、まだ買えないので目の保養。


 すぐ近くのアンティークショップ「intimite」にも寄る。店主さんと色々おしゃべり。幾つか、気になるブローチを買う。
 庵治に来たら、最後はだいたいカフェ「Remza」に行くのが習慣なのだけど、intimite店主さんも「久しぶりに行きたい!」ってなって、後ほど現地で待ち合わせ。
 カフェ「Remza」で、珈琲とケーキをいただきながらおしゃべり。同時にぼくは、絵も描く。


 夜遅くまで開いている珈琲ショップがあるというのが、どうにもうらやましい。そしてそこに集まるお客さんは、何かしら文化的なことに携わっている人ばかり。同じ時間と空間を共有するだけで、色々な刺激がもらえる。こういう場所は、詫間にないんだよね。残念ながら。
 Remza店主のOKKIは、つぶの子犬のオーナーになる予定。どの子にしようか、まだ迷っているらしい。次の水曜日にはまた見学に来るとのこと。
 真夜中。絵が幾つか完成したので、帰路に着く。
 午前2時過ぎ、帰宅。

2017年3月11日土曜日

3月10日(金)深夜の観察

 通常業務。納品2件。
 夕方、仕事終わりに仮眠。子犬たちの夜鳴き(早朝鳴き)で、慢性的な寝不足に陥っている。
 20代の頃よくみていたゴダールの映画「男性・女性 Masculin, féminin: 15 faits précis」(1966年)をずっとみ返したかったのだけど、ぼくが持っているのはVHSのビデオ。再生機器も壊れてしまい、みれないままになっていた。ブルーレイで出ていることは知っていたけど、値段が高過ぎて買えず。
 ところが。そのショッピングサイトを久しぶりにのぞいたら、まさかの「品切れ」表示。プレミアがつく前に買わないと、いよいよ手が出せなくなる。そう判断して、先週ようやく中古で購入。無事、手元に。
 やはり、面白かった。フィクションとしてのドラマ映像と、ドキュメンタリとしてのインタビュー映像がモンタージュ的に同居している。前年(1965年)にあれだけカラフルな映画「気狂いピエロ」を撮っておきながら、本作は完全に白黒。そこもまたよい。
 最近。昔よくみていた映画を改めてみ返しているのは、自分の中の映像感覚を再構築する時期に来ているからなんだろう。多感な頃にくり返しみていた映画って、自分の根幹に関わる感性を養ってくれていたのだと今更のように思う。
 就寝前に遊んで疲れさせていたはずなのに、子犬たちは深夜に起きだして大鳴き。有希を起こしたくないのもあって、ぼくがひとりで対処する。しばらくケージから出し、母犬の寝床でおっぱいをたらふく飲んだらだいたい満足して寝てくれる。
 ところが、かきだけ満足できなかったようで、さらに鳴いている。ももとくりは早々寝床に戻ったので、とりあえずかきだけをさらに母犬と遊ばせる。姉妹の中でいちばん身体が小さいのに、かなり激しい。つぶも負けず、それに応酬。喧嘩しているように見えるけど、彼らがやっているのはあくまで甘噛み。相手のことを気づかいながら、遊んでいる。犬に社会性を持たせる上で、こういう時間はとても大切。親子水入らずを間近で観察しながら、ぼくも自ずとしあわせな気持ち。まあ、寝不足なのは変わらないけどね。

 

2017年3月10日金曜日

3月9日(木)ほぼ貸切状態の映画館で大すきな映画監督の映画をみた

 午前中は通常業務。
 午後いちばん。つぶをお風呂に入れる。ぼくがひとりで入れるのは2回目かな?出た後のおやつ欲しさなのか、イヤがらずに入ってくれる。もっさりのカーリィヘアを、ドライヤで乾かすのがとにかく大変。


 午後3時、動物病院へ。ノミ・ダニ忌避薬の「レボリューション」を注してもらう。授乳中の母犬でも大丈夫とのこと。
 先生に、ようやっとの出産報告。「つぶ出産の時は、お世話になりました。1頭はダメでしたが、残り3頭はすくすくと育ってます。」
 帰宅後。疲れきってしまい、ぼくとつぶはしばしお昼寝。
 夕方、つぶと散歩。今日も1時間くらい歩く。
 夜。
 さっとラーメンを食べて、有希と宇多津のイオンシネマへ。午後8時50分からのレイトショーで、映画「彼らが本気で編むときは、」を観る。
 「LGBT」で云うと、その「T」に当たる役を生田斗真が演じていることでも話題になっている。「T」は、「トランスジェンダー」のT。この映画の場合は、『身体は男性として生まれてきたけど、心が女性だったために適合手術を受け、身体もちゃんと女性になった人』の話。
 ちなみに、ぼくと有希は「G」。「G」は、「ゲイ」のG。『身体も心も男性として生まれてきたけど、恋愛対象が異性ではなく同性の人』。俗に云う「オネエタレント」は、その辺を曖昧にしたままメディアに出ているので、よく知らない人は混同しがち。(ゲイは女装するものと思っている人が、いまだに居る。)共通している点と云えば、性的なところの少数者(マイノリティ)であるということくらい。しかし、それ以外の問題点はそれぞれに違っているので、個別に語られるべきであるということも知っておいてほしい。
 大すきな荻上直子監督、7作目の長編作品。「かもめ食堂」や「めがね」のゆるふわ系映画で一世を風靡したため、その後の「トイレット」や「レンタネコ」のちょっと毛色が違う作品まで観ている人は少ないかもしれない。ぼくはその変遷を含め、とても親近感を持って追いかけている。短編映画を1本しか撮った経験のないぼくが云うのも何だけど、自分といちばん近い感性を持っている人だと思う。
 最後のオチを含めて、とてもいい映画でした。特に、子役の演技が完璧。それって、すごいことだと思うの。
 映画の余韻に浸りながら、宇多津のスターバックスで桜のシフォンケーキと桜のシェイクとドリップコーヒーを有希とシェアして飲む。
 日付が変わる頃、帰宅。

3月8日(水)まだ言葉にできていない感情の集積

 通常業務。今日は機械の段取り替えが4回。さすがに、集中力が限界。
 お昼。卵かけごはんをしたら、味付けがとてもいい塩梅。完璧なお昼ごはん。
 夕方。
 産直で、野菜を幾つか買う。
 とことこで、ぱんを買いつつ店主のケンイチさんとおしゃべり。
 夜ごはんは、お鍋。また寒くなったので。三寒四温、真っ只中。
 録画しておいたTVドラマ「カルテット」をみる。展開が目まぐるしいので、退屈しない。登場人物がまだ言語化されていない感情で動くところこそ、このドラマの真骨頂。
 例えば。今回で云えば、すずめの行動。自分のすきな人たちが結ばれてほしいと思う傍らで、実はその人たちに嫉妬があるんじゃないかということを家森から指摘されて、ようやっと自覚する。平凡な脚本では、登場人物がすでに自覚しているうえで「そういうもの」として描かれる。それを、「予定調和」と呼ぶ。しかし、この脚本では『登場人物が自ら把握できていない』ところで物語が進むのだ。そこが理解できるかどうかで、このドラマが面白いか/面白くないかが必然的に振り分けられるだろう。


 夕食後。何気なくつぶに触れていた有希が「あっ!」と小さく叫ぶ。まさかの、ノミを発見!瞬殺。先日、ノーリードで広場を走らせた時、木の茂みに入ったりしていたので、その時付いたのかもしれない。明日早々に、動物病院で忌避薬を注してもらおう。こんなところにも、春はそろそろとやって来ている。

2017年3月8日水曜日

3月7日(火)世間が狭いのか、はたまたぼくらが広いのか?

 通常業務。急ぎの仕事に集中する。
 デレク・ジャーマンの映画「ザ・ガーデン」のサントラCDが届く。映画はDVDで、もうくり返し何度も観てるけど、音楽だけを切り離して聴くと、また印象が違う。もちろん、CD用にエディットはしてあるんだろうけど、些細な違いが殊に興味深い。「映画ではこの曲が分解されて使われてたんだなあ」とか、「途中に入るノイズが映画とは違うなあ」とか、「この曲は映画で使われなかったけど、せめてものサントラCDには入れたかったんだろうなあ」とか。
 何にせよ、サイモン・フィッシャー・ターナーによるサウンドデザインは、ことごとくぼくのツボなのだ。
 15時の休憩時間。xiumeiさんとLAZYBONESにて待ち合わせ。久しぶりに再会。楽しいおしゃべりの時間はあっという間に過ぎる。後ろ髪を引かれながら、納品へ。
 夜、詫間の居酒屋「千」に初めて行く。「家庭料理・千」という看板を見つけてから、有希がずっと気になっていたお店。
 入口脇の立て札が「支度中」となっていたので、「やってますか?」とおそるおそる入る。店主のおばちゃんが、ひっくり返すのを忘れていただけらしい。「ひっくり返しておきますねー」とすかさず有希。裏側に書かれてある文字はもちろん「営業中」。
 カウンタに居る常連のおじさんに、どうも気に入られたらしい。「はじめまして。」と挨拶を交して席に着くなり、「この人たちにビール1本づつつけて!」とおごられる。どこに行っても気に入られてしまう有希でも、さすがの最短記録。30秒!
 そうして、常連客かのようにすっかり馴染んでしまうぼくらふたり。


 すぐ近所に住む常連のおじさんは、詫間や荘内半島の歴史を色々してくれた。興味津々。
 さらには、有希の叔父(故人)と親交のあった人まで発見!「世間て狭いなぁ」と、終始云い合っていた。おそるべし川田家!!
 味は少し濃い味。お酒を飲むにはいい感じ。メニューはホワイトボードに書かれた「今日のおすすめ」と、カウンタの上に置かれた大鉢料理くらいで、後は食べたいものをリクエストしたらおばちゃんがその場で作ってくれるというシステム(多分)。
 おじさんたちは「自分の人生でやれることなんてたかが知れとる。やけん、やりたいことはちゃんとやっとかないかん!」としきりに云っていて、その度にうんうんとうなずく。還暦前後のおじさんたちが、最近実感を込めて思うことなんだそう。
 ひとしきり飲み食いをして、お店を出る。またしても、面白い夜だった。
 帰宅後、子犬たちと存分に遊ぶ。かわい過ぎて、毎日メロメロなふたり。
 久しぶりに、子犬たちの体重を量る。白い毛色の「もも」は2.4kg。茶色い巻き毛の「くり」は2.7kg。茶色ストレートの「かき」は2.7kg。なんと、「もも」と「くり」「かき」の体重が逆転している。ちょっと前まで、「もも」がダントツでいちばん重かったのに。

2017年3月7日火曜日

3月6日(月)すぐそばにある旅情

 通常業務。
 夕方、つぶと散歩。またしても、線路沿いの細道を行く。


 まだ入ったことのない路地や出合えていない風景は、近所にもたくさんある。同じ町に暮らしていても、見えている世界は一人一人全く違うのだろう。パスポート取って、飛行機に乗って、日付変更線をまたがなくても、『ここじゃないどこか』はすぐそこにある。それを、「この町はこんなもんだ」と勝手に決めつけて、何も知らないまま「田舎は退屈」と断言してしまう人生は本当に豊かなんだろうか?時々それを疑問に思う。


 今日の散歩は1時間ちょっと。日もだいぶ長くなってきた。
 晩ごはんは有希作、「ふきのとうとしいたけの天ぷら」「豚バラ肉のしょうが炒めと千切りキャベツ」「春菊としいたけとえのきの味噌汁」「新玉ねぎ(生)の塩麹和え」。タイソウ満足。

3月5日(日)若さゆえの逡巡や葛藤

 休日。
 午前。
 岩岡ヒサエの漫画「孤食ロボット(4)」と「幸せのマチ」読了。
 有希、高松より帰宅。旧友たちとわいわい、楽しい夜を過ごせたみたい。
 昼食は仁尾のSun cafeへ。久しぶりにつぶも一緒。テラス席で食事ができるくらいに暖かい。春も、近し。
 四国学院大学ノトススタジオへ。この春、卒業を迎える演劇コース4期生の最終公演「これから ピテカントロプス」を観劇。学生たちだけで作ったこのお芝居は、彼らが卒業するにあたっての葛藤を正直に描き出している。
 例えば、「演劇なんかでは食べていけない!」と親から罵られるシーンがあったり。「恋人と同棲するため就職することに決めたけど、このまま演劇をあきらめられるだろうか?」という不安に苛まれていたり。「奨学金の返済をしなきゃいけないから働くことにしたけど、ほんとはまだ働きたくない」という本音を密かに押し殺していたり。
 「夢」と「現実」の狭間で揺れ動く14人の学生たち。同じように逡巡した経験がある大人たちは、自分に置き換えられるエピソードがそこかしこにあり過ぎて、泣いてしまった人も多かったんじゃないかしら?「そんな悲観的にならんでも…」と突っ込みながら観ている次の瞬間、「ああ、あの頃の自分たちとそっくりだ!」と妙に共感して泣いてしまったり。忙しない感情の満ち引きに翻弄されっぱなしの1時間30分でした。
 総じて。今の彼らにしか演じられない、とても説得力のある作品でした。4年間、お疲れさま。
 帰り。まやさん&Marcusの家に寄る。つぶの姉妹犬あわびを連れ出して、芝生の広場で遊ばせる。


 しばし育児から解放されて、子どもに戻るつぶ。こういう時間も大切です。


 高瀬の産直に寄って、野菜を買い込む。新玉ねぎがついに出ていた。嬉々。
 丸岡味噌麹店で、塩麹と赤味噌と白味噌を買う。
 町内に、豆腐屋さんがあるらしいというのは人づてに聞いていた。場所がイマイチ判らなかったので訪れたことはなかったのだけど、ふと思い立って裏路地に入ってみる。すぐに発見。残念ながら、本日は売り切れとのこと。今度また、買いに来よう。
 晩ごはんはお鍋。豆腐はないけど。
 お芝居を観て泣き疲れたのもあるのか、食後すぐに就寝。

2017年3月6日月曜日

3月4日(土)未成熟な魅力

 休日。今日は有希と別行動。
 お昼過ぎ、まんのうのカフェ「numar」へ。一汁三菜と玄米ご飯のランチをいただく。鶏もも肉のソテーに添えられた菜花が、春を先取りしている。


 食後は、デザートにガトーバスクをいただきながら、珈琲と読書。
 高橋睦郎の詩集「汚れたるものはさらに汚れたることをなせ」、読了。表紙は、和田誠によるイラストレーション。解説に、澁澤龍彦。1966年発行、詩人・高橋睦郎の第3詩集。

 
 どんな詩人の作品も、読んでいてはっとするのは最初期のもの。作品数が増えるにつれ、凡庸になる。より多数の人に伝わる表現を心がけると、自ずとそうなってしまうのかもしれない。でもぼくは、詩を書き始めた頃の未成熟な作品群がすき。表現するよろこびがぐぐっと凝縮されているから。それはまた、自分の作品についても云えることだけどね。
 

 numar店主のふちがみさんと、レコード鑑賞会の打ち合わせ。他にも色々、おしゃべり。
 気がすむまでのんびりして、一旦帰宅。わんこの世話をして、また外出。
 多度津の雑貨店「tetugakuya」さんへ。そこでもまた、おしゃべり。雑貨以外の方向性が定まってきたらしい。新サービスが始まる頃に、ぼくもイベントを企画させてもらうことになりそう。 
 夜。有希は高松で友人の結婚式2次会。ぼくは家にひとりお留守番なので、夕飯はテキトウに残りもので済ます。
 就寝前。子犬たちと、たっぷり遊ぶ。そこで、できるだけ疲れさせておかないと、夜中にごぞごぞ起きだして、延々鳴かれるハメになる。そういうところは、人間の赤ちゃんと同じなのだ。

2017年3月4日土曜日

3月3日(金)ふきのとうは春の味

 有給休暇、2日目。
 午前。
 ウチの両親が子犬を見にやって来る。同じ敷地内に住んでいるにも関わらず、母親だけはまだ見に来ていなかった。父親の云うことには、「一度会ってしまうと、別れる時につらいから…」という理由で渋っていたんだそうだ。そんなシリアスにならんでも…と思いつつ、母親らしいなあとも思う。そうして今日、やっと。
 案の定、まるで我が孫の誕生を喜んでいるかのようでした。人間の子どもは見せてあげられないので、せめてものわんこ。
 お昼。有希と高瀬のイタリアンレストラン「アルデンテ」でランチ。いつもは夜来て単品を頼むのだけど、ランチサービスはやはりお得。パスタは2種類しかないけど、前菜にサラダ・ガーリックトースト・オムレツがついて、1000円弱であの味を楽しめるのはかなりうれしい。ただし、平日の昼間だけ。有給休暇の時でもないと、食べられない。
 one koan改修のための木材を探して、ホームセンターを巡回。観音寺の西村ジョイにてやっと、米ヒバ材を見つける。その後、少しだけ改修作業。電ノコで切っていたら失敗して割ってしまったので、また後日再挑戦する予定。
 夕方。有希とつぶと散歩。ぐるりと歩いて、詫間のスーパーマーケットPICASOまで。有希が買い物をしている間、ぼくとつぶは外のベンチにて待つ。


 以前、つぶとぼくだけで歩いて来た時、つぶを外のベンチにひとり待たせて買い物したんだけど、誰かにいたずらされないかと気が気じゃなくて、結局ゆっくり買い物できなかった。親馬鹿と云われればそれまでだけど、この日も実際、有希が遭遇した変な買い物客が居たし。用心に越したことはない。
 そういや、英国では愛犬を外のポールにつないで、スーパーマーケットで買い物してる人たくさん居たよなあってこととかを思い出す。犬と同じ部屋で生活するのが当たり前の国では、その辺の認識が全然違うんだろうなあとも思う。ヨーロッパの主要な国では、犬は従属させるペットではなく、同じ生活圏を共有する『家族』という認識の方が強い。犬にも税金を支払う代わり、電車や公共交通機関にも同乗できる国がうらやましい。(いまだ殺処分がどうの、多頭崩壊がどうのという議論で止まっていて、法律的な改善が根本的になされない日本は、相当な後進国だからね。)
 夜。有希が作ってくれた晩ごはんは、お鍋の残り汁を有効活用した雑炊。昼間にone koan周辺で採ったふきのとうを上にふりかけて食べる。これこれ!ほろ苦くておいしい、春の味。


 食べ終えたらそそくさと、隣町の仁尾町へ。「松賀屋」という古民家で開催されていた音楽鑑賞会に遅れて参加。ぼくがたまに企画している「持ち寄りレコード鑑賞会」は、曲と曲の間に解説を挟まず、即次の人のおすすめ曲をかける方式だけど、こちらは真逆。かけた曲に対する思い入れを語る方がメイン。なので、ちょっと新鮮でした。
 ぼくはpizzicato one(小西康陽)の「かなしいうわさ feat.UA」を7インチレコードで。


 鑑賞会の後は、フリートーク。移住して来られた方も何組か居るようで、DIYの改修話とか、色々盛り上がる。
 24時過ぎに、お開き。

2017年3月3日金曜日

3月2日(木)居酒屋「川田中」開店

 有給休暇、1日目。
 日記をせっせと書く。
 夕方。球体関節人形作家のヒロミちゃんが、電車で詫間に向かっているとのこと。車で迎えに行く。
 タケバンさん家に、突撃訪問。わんこやペットのこと、写真やお仕事のことなんか色々おしゃべり。同じ町内に住んでいるというのに、とっても久しぶり。お元気そうで何より。
 帰宅。ヒロミちゃんと子犬、ご対面。せっかくなので、一緒に晩ごはん。有希が、料理の腕を奮ってくれる。


 メニューは、「かぶ・新玉ねぎの浅漬け」「キムチ納豆」「鯛のあらの味噌汁」「白菜とキノコのあんかけ」「手羽元スパイシーグリル」。冷蔵庫の残り物レシピで、所要時間1時間。(有希のFBより)
 ぼくはBGV(バッグ・グラウンド・ヴィジュアル)のセレクト。ヒロミちゃんもすきな、杉井ギサブロー監督のアニメ映画「銀河鉄道の夜」。ぼくは、BL的萌ポイントを解説。ヒロミちゃんは、ますむらひろし的世界観を解説。ふたりして泣きに入りたいシーンで、有希がAKY(敢えて空気読まない)なダジャレ解説をして、出かけていた感動の涙が一気に引っ込む。野暮天。
 例のごとく、ぼくだけお酒を飲んでいない。約束通り、ヒロミちゃんを車で丸亀まで送る。車中で聴いていたのは、逝去したムッシュかまやつ(かまやつひろし)氏のアルバム「Je m'appelle MONSIEUR -我が名はムッシュ」。小西康陽プロデュースで、インタビューまで入っている。それに合わせて唄いながら、追悼ドライブ。
 宇多津のTSUTAYAで、漫画を3冊ほど購入。隣のスタバでは、有希が珈琲をおごってくれた。
 今日もいい1日でした。まる。

3月1日(水)水曜日の夜遊び

 通常業務。
 仕事が閑散期なので、明日からの2日間、有給休暇をもらえることになった。週末にかけて納品予定だった仕事を、前倒しで本日納品。
 お昼ごはんはスピッツベーカリーのぱん。LAZYBONESが店休日なので、有希とどうしようかと話してて、友人が働いている雑貨屋さんDEMI 1/2に寄ろうということになる。久しぶりに会うふみちゃんは、とても元気そうだった。つぶの出産祝いにドッグフードをくれたお礼と、有希の演劇公演を観に来てくれたお礼も云う。相変わらず、すてきな品ぞろえのお店。ふみちゃんのセンスはいつも、さすがです。
 午後。LAZYBONES店主のかつべさんとけいこさんが、子犬たちを見にやって来る。ほんとなら1頭、彼らのところにもらわれる予定だったのだけど、かつべさんが身体を壊してしまったこともあって、その話はなくなってしまった。とても残念。


 ぼくらにとってはつぶが子どもで、生まれた子犬たちは孫みたいなもの。なるべく、ぼくらの目が届くところにもらわれてほしいと考えている。


 晩ごはんは、お家で水炊き。さっと食べて、丸亀へ。
 球体関節人形作家のヒロミちゃんと、丸亀駅前にあるバー「どん底」で待ち合わせ。ぼくらは初めて来る。お店に入った正面の壁に、巨大なゴダールのポスター!ぼくはもうそれだけで、高得点。
 パイナップルとココナッツのノンアルコールカクテルもおいしかった。(いつものようにワタクシが運転手なので、お酒は飲まない。)
 どん底の店主さんに、「前にどこかで会ったことあるよね?」と云われる。ドッペルゲンガー?全く身に覚えがないんだけど…。有希は、「ドラム叩いてる人?」と訊かれる。こちらも、全く身に覚えなし。


 店主さんが天然なところも含めて、面白い。また、来よう。
 まさかMIMOCA(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)の真ん前に、こんなお店があったとは。びっくりです。
 その後、サウンドバーOCHOにも行く。DJのヨシダさん居るかなあと思ったけど、今日は居なかった。彼が回してる時、また来たい。
 途中。ウエダ(妻)さんより、TELあり。まあ、色々あるよね…。
 ぼくは有給休暇前日だし、もっと夜更かししてもよかったんだけど、有希が次の日仕事なので、ほどほどで帰宅。

2017年3月2日木曜日

2月28日(火)にやにやする時間

 通常業務。
 昼休みは、三好うどんへ。今日は珍しく待たされる。行列のできるうどん屋さん。鶏天ぶっかけうどんといりこのおにぎり、うまし。
 夜。まやさん&Marcus夫婦が子犬を見にやって来る。Marcusの甘~い声とにやにやした顔を見てたら、こっちまでにやにやしてくる。犬、心底すきなんだなあ…。「もう1匹、飼う?」とか、冗談で(半分本気?)まやさんに訊いてる。
 そのまま4人で、近所の台湾料理屋さん「東方紅」へ。わいわい、晩ごはん。
 帰宅後、引き続きわんこタイム。とにかく今は、かわいい盛り。よろよろしながらも、無邪気にじゃれあう子犬たち。Marcusじゃないけど、ふたりしてひたすらにやにやにやにやにやにやにやにやするだけの時間。


 たまにはお母さんも、甘えたいらしい。


2月27日(月)月曜日の発見

 通常業務。
 子犬たちを観察していて判ったこと。明け方ごろ鳴くのは、おなかが空いているから。母犬のつぶをケージに入れてやると、おちちをチュウチュウ吸って大人しくなる。満腹になると、またスヤスヤと眠る。そのくり返し。


 たまにつぶが鳴くこともある。それはもしかしたら、子犬がうんこをしたというのを飼い主に教えているのかも。「早く片づけて」と。潔癖症かと思うくらい、きれいずき。(飼い主に似て。)


夕方、つぶと散歩。今日は1時間くらい。途中、仕事から戻る有希(自動車通勤)とすれ違う。バイバーイ。詫間駅周辺の、まだ通ったことのない路地裏をぐるぐると散策。
 晩ごはん。有希が実家から、殻つきの牡蠣を持ち帰る。圧力鍋で、酒蒸し。空いたスペースに白菜やかぶも入れ、一緒に蒸す。ポン酢に、だいだいをしぼって食べる。うまし。
 昨日の今日で、相当疲れが残ってたみたい。お酒を飲んだら、ベッドに直行。すっかり眠ってしまう。深夜に一瞬目が覚めたけど、すぐにまた寝て、結局朝まで。快眠。

2月26日(日)奇跡的な夜に踊り明かす僕ら

 今日はひとり、高松へ。
 途中の宇多津で、THOOTH COFFEEに寄る。パニーニを朝ごはんに食べながら、読書。


 高山なおみ&スイセイ著「ココアどこわたしはゴマだれ」、読了。最後の章を読んでいて、何だか切なくなる。本文ではぼんやりとしか書かれていないけど、この夫婦は別居を決めたみたいだ。明記してある移住地がそれぞれに違うので、そういうことなのだろう。それでも夫婦(法律上)を続けているのか、それとも解消したのかまでは書かれていない。
 川田中家の場合。2011年、有希がロンドンに移住する(2年の期限つき)と決めた時、ぼくは反対しなかった。それどころか、足りない物を買ったり壮行会まで開いたり、最大限にサポートして送り出した。「パートナーシップ」は、縛り合うためのものではない。人生の時々で、学びたいことや吸収したいことがその土地にないかもしれない。その経験がどうしても必要な場合、別居して違う土地に暮らすこともありなのだとぼくは思う。その際、パートナーシップを解消するのか/継続するのかはケースバイケースだ。ぼくと有希の場合は、継続した。
 どちらにしても有希の英国はビザの関係で2年しか居れないわけだし、互いにひとりになっても吸収できることはたくさんある。再会した時、成長した姿を見せたい。見せてほしい。そんな想いだった。
 その後、有希は体を壊し、1年と少しで帰国することになる。ガリガリに痩せた身体で。(その話はまた、別の機会に。)
 実際。日本と英国の国際遠距離恋愛は、面白かった。現代にはskype(ネットのTV電話)という文明の利器がある。日常生活のレベルで、今日あったことをお喋りしたり、時にはそれぞれにごはんを食べたり、ごぞごぞ用事している間もつなぎっぱなしにできるのだ。時間差もほとんどないから、同じ部屋に居るのと変わらない。
 結局、心の距離を近くに保てれば、物質的な距離がどうであろうと続くのではないかと思う。結論。
 予定が詰まっているので、そそくさと移動。高松、着。
 久しぶりに、松島の古書店「讃州堂書店」へ。デザインと広告についての展覧会図録(1991年)を買う。デザインの参考に。


 さらに移動。
 カフェ「チャイ花」へ。NYから一時帰国しているジャズピアニスト・宇関陽一さんと、数年前に東京から香川に移住してきたサックス奏者・國井類さんのジャズライブを鑑賞。素晴らしい。生ピアノでなくキーボードだったのは残念だけど、逆にエレクトリックピアノの音色を使ったりもしていて。プロは機材を選ばないのだなあとも。


 「チャイ花」に来るお客さん向けのチラシはぼくがデザインしたので、集客を心配していたのだけど、全くもって杞憂だった。身動きがとれないほど満員御礼。ほっと、一安心。
 そして、さらに移動。三豊に戻る。高速道路を使って、時間短縮。
 帰宅後、息をつく暇もなくDJ機材の準備。車に積み込んで、高瀬のライブバー「ブギナイト」へ。DJ機材のセッティングをする。
 18時より、DJイベント「bootyicious」開始。ぼくの出番は19時からの1時間。ぼくのラストソング、サディスティック・ミカ・バンド「タイムマシンにお願い」をかける頃には、オーディエンスもノリノリでした。楽しかった。

写真:藤岡優

 「ブギナイト」は、移転後初めて訪れた。前までの店舗とは違い、ライブスペースがかなり広い。DJ機材は、ターンテーブル2台とミキサーが常備されていて、音もかなり大きく出せる。ここでなら、何か面白いイベントが企画できそう。今度、店主さんと話してみよう。
 有希と、ケンイチさんと、企画者の石居直ちゃんと、デザイナーの秋山さん、KEIさん、優くん、今川くん。そして多彩なジャンルのDJさんや、ノリのいいお客さん。こんな香川の片田舎で、こんなに面白いDJイベントが成立するなんて、思ってもみなかった。何だかここが日本じゃないような、奇跡的な一夜でした。どうもありがとう。

2月25日(土)愛着

 お出かけ前に、お裁縫。シャツのボタンが取れていたので、つける。
 岡山は倉敷市の児島に、「KAPITAL(キャピタル)」という洋服ブランドがあって、自社でデザイン・染色・縫製までしている。アウトレットでは試作品(おそらく1点もの?)も売られているようで、有希が最初に買ってきた幾つかの服は、他で見ないような実験的なものばかりだった。(例えば、ジャケットとバッグが一体型になっているとか。)ぼくが一目ぼれのすえ買ったのも、襟が独特の形状をしたデニムシャツ。ここ半年ほどお気に入りで、着る頻度がとても高い。
 ただ何故かここの服は、ボタンが度々取れる。ぼくのシャツだけでなく、有希の持っている服も、幾つかはぼくがつけ直した。「よっぽど下手な人がボタンつけしてるのかしらね」って有希と云い合いながらも、お気に入りであることには変わりがないので、それもまたよしとして笑い飛ばしている。だって、『かわいいものほど手がかかる』って云うでしょ?今時、そんなブランドもめづらしいもんね。
 午前。有希に伴って、多度津の古民家カフェ「e-COCOCHI」へ。そこで4月に行われる演劇公演の打ち合わせ。待っている間、カフェの片隅でお茶をして、ぼくはひとりくつろいでおこうという思惑だったのだけど、カフェとしての通常営業は現在休止中らしい。結局ぼくも、打ち合わせの方に参加。演劇制作の現場を参観しました。


 多度津は古い港町だから、古民家や町屋がぽつぽつ残っているのは知っていたけど、リノベーションをしてまで働きかけている人が居ることは、露ほども知らなかった。管理人をしている方の話を聞いて、何か協力できることがあればぼくも協力したいという気持ちになる。


 すでに動き始めているゲストハウスに続いて、4月にはこれからリノベーションしようとしている古民家の一般公開があるんだそう。どんな展開になるのか、とても楽しみだ。
 うどん屋でお昼ごはんを食べて、一旦帰宅。つぶのトイレやら、子犬の世話を済ませる。


 そして、有希と高松へ。
 瓦町FLAGにて、とあるダンス公演を観る。
 観覧後、有希はまた打ち合わせ。ぼくはひとり、ジュンク堂書店にて本を物色。平積みの少ないレイアウトと広すぎる売り場に慣れなくて、右往左往。マニアックな本は確かに多いけど、岡山店ほど惹かれるものがないのは何故なんだろう?
 帰り、綾川のエスニックカフェ「LIFE」にて食事。スタッフが病欠らしく、ご夫婦が忙しく立ち回っている。「お久しぶりです。」とご挨拶をして、席が空くまで待つ。あんまり「待たせてすいません」と申し訳なさそうに云われるものだから、「大丈夫です!ぼくらはゆっくり待ちますからー」とかフォローしているうちに席が空いて、そこに着席。厨房が忙しいのは変わりないので、ぼくらは最初から腹を据えて、お料理が出てくるまでの長い待ち時間を読書したりしてのんびり過ごす。
 香川には珍しい、エスニックなメニュー。彩りからして違う。一通り味わって、ふたりとも大満足。大すきなパクチーも、たくさん食べました。今年はone koanの裏山を、パクチー畑にしたいよねという計画も出てきたり。
 遅くなったので、急いで帰宅。わんこたちの世話をして、1日が終わる。