午前4時。子犬たちのきーきー鳴く声、つぶがガサゴソする音で目が覚める。コートとマントとマフラーを着けて、つぶを外に連れ出す。有希がその隙に、つぶたちの寝床を整える。トイレを即行で済ませると、つぶは全速力で部屋に戻る。子犬の元から、一瞬たりとも離れたくないらしい。
午前中は通常業務。
正午頃。有希のお母さん・より子さんが子犬たちを見にやって来る。つぶは、川田家に行っても吠えたことがないし、何よりより子さんのことが大すきでいつもついて歩くのに、今日は違う。より子さんが部屋に入った途端、ひどくはげしく吠えた。これが、子犬を全力で守ろうとするお母さん犬の本能なんだろうね。つぶの気が立っているので、より子さんと子犬たちの面会は断念。また、落ち着いてから。
折角なので、有希とより子さんとぼくで三好うどんに行く。昼食。
LAZYBONESにも寄り、珈琲を飲む。店主かつべさんに、つぶ出産の報告。
より子さんと別れた後、車屋さんへ。昨夜のパンクでタイヤが裂けたらしく、修復は不可能だった。新品に交換してもらう。
詫間の産直ショップに行って、花束を3本ほど買う。カラフルなものを選ぶ。
有希とone koanへ。上手に生まれて来れなかった子犬の亡骸を、ぼくらのお家の一角に埋葬することにした。掘って、先ほど買った花を敷き詰める。その上に、そっとのせる。死んでいるとは思えないくらい、きれい。
「残念だけど、あの子は生まれて来れなかったの。」昨日の明け方みた夢の中で、誰かがそう云った。たぶん、無事に生まれて来れた他の子犬たちの誰かだろう。不吉だと思ったから、その夢の内容は有希にすら話さなかった。まさか、こんなことになるなんて。
そっと、土をかぶせる。そしてそのすぐそばに、LAZYBONESで株分けしてもらったアイビー(ツタ系の植物)を植えた。これから大きく育っていくこのアイビーを見つけるたび、ぼくらはその子犬のことを思い出すだろう。だから、この子の名前は「アイビー」だ。花言葉は「永遠の愛」。忘れないからね、君のこと。またね。
晩ごはんは、より子さんが持って来てくれたお手製のおでんとナマコ。ごちそうさまでした。
夜。子犬たちの体重を量る。子犬のおなかに油性マジックで書いた数字は、つぶが舐めている間に消えてしまったみたい。しかし、だいぶ区別がつくようになってきた。「1」は白い毛色の子で263g(昨日より+31g)。「2」は茶色い巻き毛の子で235g(昨日より+20g)。「三」は茶色のストレートで230g(昨日より+25g)。順調に成長中。
「I was born!」 とにもかくにも生まれて来たのだ。前へ進め!
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