2017年1月31日火曜日

1月30日(月)ある犬生の始まり

 愛犬つぶが、夜ぢゅう巣作りしている。カサコソガサゴソカサコソガザゴゾ。親から教わったわけでもないのに、子どもを産む上でやるべきことがちゃんと解かっている。本能というやつは、すごい。ただそのせいで、ぼくは少ーし睡眠不足。眠りが浅いせいか、イヤな夢までみた。
 通常業務。
 つぶのおなかが、今日は明らかに垂れている。昨日までは、あんなに張っていたのに。もしかして、もしかするかも。
 お昼ごはんは近所のいちふじで、うどん。
 納品1件。
 取引先からの帰り、叔母からもらったレトロな机をone koanに運ぶ。
 戻ろうとone koanを出た直後、何と、タイヤがパンク。ロードネット(JAFみたいなシステム)が来るのを待っている間に、有希からメッセージが入る。「つぶ、あやしくなってきた。」えー、このタイミングで?!パンクしたタイヤを即行スペアタイヤに替えてもらって、直帰。
 つぶの呼吸が激しくなっている。もう1時間くらい、こんな状態らしい。しばらくふたりで看てたけど、それ以上の進展はなし。有希がごはんでも仕掛けようとキッチンへ行った直後、破水。いよいよ、始まる。動物病院に報告の電話を入れて、夜間の問い合わせ先を教わる。
 数分を待たずに、第1子誕生。つぶは、赤ん坊を舐めて呼吸を促す。まもなく、元気な声で鳴き始める。第2子は、それから10分後くらい。こちらも順調。
 しばらく開いて、2度目の破水。第3子も、無事誕生。
 ところがその後の第4子。出て来たと思ったら、羊膜に包まれている!黒くて、緑色の袋が見える。つぶは必死で破ろうと試みているものの、破れない。有希が手で何とか破って、中の赤ん坊を取り出す。つぶが舐めて呼吸を促すも、微動だにしない。有希はその赤ん坊をむんずと掴むと、鼻と口の中に入っている羊水を自分の口で吸い出す。しかし、蘇生しない。頭を振ってみても、呼吸が始まる素振りすらなし。
 終業時間ぎりぎりの病院に電話をして、先生のアドバイスを仰ぐ。どうやら、未熟児らしい。有希がやれることは、全てやった。それでも、一向に動かない。「それなら、無理かもしれません。」と電話口で先生。保育器に入れても、蘇生する可能性はほとんどないらしい。いったんは電話を切ったけど、あきらめきれない有希に促されもう一度かける。今度は先生の携帯電話へ。先生は冷静で、やはり的確。「体重は幾らですか?」量ってみると、他の子たちのちょうど半分。やはり、出てくるのが早すぎたみたい。「心臓は動いてますか?」「…………」言葉を失くす有希。悲しいけど、もうあきらめるしかなかった。
 幸いにも、3頭の赤ん坊はすこぶる元気。つぶのおっぱいを探して、這いずりまわっている。つぶの呼吸はまだ荒い。それでも、子犬を舐めながらケアを続けてる。
 30分以上経って、ようやく落ち着いた。羊水でびしょびしょの新聞を取り替えたり、識別のため子犬のおなかに数字を書いたり、体重を量ったりする。「1」の赤ん坊は232g。「2」の赤ん坊は215g。「三」の赤ん坊は205g。(有希がなぜか「3」だけ漢数字を書いた。)
 有希が、つぶをトイレに連れ出す。残された小さな赤ん坊たちは、ひたすらきーきーと鳴いている。赤ん坊が心配過ぎるつぶは、外でトイレを済ませると全速力で戻ったらしい。つぶまで、くぅんくぅんと鳴いている。ちゃんと母親になったんだなあ……。
 こうして、つぶの出産は完了。長い1日……いや、1週間だった。(当初の予定日から、ちょうど1週間遅れの出産でした。)

1月29日(日)ぼくがつぶに与えている愛の大部分は母性愛だと思う

 朝から、弟一家の引っ越しを手伝う。賃貸アパートから、新築一戸建てへ。ぼくのカミングアウト以降、田中家は色々あったけど、とりあえず、治まるところに治まった感じ。ぼく(長男)が隣町に家を買って同性パートナーと独立したこと以外は、ほぼ父親の思惑通り。これでよかったんじゃないかな?(事実上、遺される本家とお墓はぼくが管理していくことになりそうだけど。)
 愛犬つぶの出産が近づいている。引っ越し中もそればかり気になって、留守番している有希にメッセージを送ってみたり。大型家具を運び終えたところで、ぼくだけそそくさと帰宅。
 昼頃、叔母のたみこおばちゃんが訪ねてくる。本家は引っ越しで出払っていたので、ぼくらのところに。蜜柑、はっさく、大根の漬け物、ふきのとうの天ぷらなんかをいただく。うれしい。
 お昼ごはんは、味噌鍋の残り汁を有効活用した味噌煮込みうどんと、いただいたふきのとうの天ぷらを食べる。春の味覚を先どり。
 つぶは今日も産気づかない。いい時が来るまで、とにかく待とう。
 TVの録画をみたり、昼寝をしたり、本を読んだりするも、自ずと『待つ』ことに集中してしまう。何だかなぁ…。
 引っ越しが終わった弟たちから、たこ判の差し入れ。(仁尾町の有名なB級グルメ。たこ焼きとお好み焼きを足して2で割ったもの。)夜ごはんはそれを食べる。
 夜。子犬が産まれたら、つぶと過ごす時間はほとんど取れなくなるだろうから、今のうちにべたべたしておいた。この甘えん坊がお母さんになるのか…。不思議。

2017年1月28日土曜日

1月28日(土)なるようにしかならないと達観すること

 明け方、地震。突き上げるような揺れで目覚めて、隣で寝ている有希に「地震?」と聞く。しばらくふたりで注意してたけど、余震はなさそうだったので、そのまま再び就寝。後から調べると、三豊市は震度2。結構大きいかと思ったけど、数字的にはそんなもんだった。
 昼近くに起床。愛犬つぶはまだ、産気づいていない。そわそわを通り越して、「まあ、なるようになるかー」と思い始める。
 朝ごはんを兼ねたお昼ごはんは、久しぶりにぼくが準備する。簡単にトーストとサラダ。有希のお父さんが育てている日本蜜蜂のはちみつを、トーストにたっぷりかけていただく。これはかなりの贅沢。おいしい。
 新月の大潮で産まれるかとの予測は、見事に外れる。ただひたすら、気だるそうなつぶ。この状況に乗じて、つぶの上半身をすきバサミでトリミング。首まわりをすっきりさせたら、精悍な顔つきになった。女の子なのに、ハンサム。
 有希が「まだかーまだかー」と、昨日のぼくみたくなっていたので、近くなら大丈夫だろうと気分転換の外出を決める。
 友人のぱん屋さん、とことこへ。だいぶ売れて残りは少なかったけど、明日用に幾つか買い込む。店主と、常連のオノさんと談笑。そのうち、山口さんカップルもやって来て、和気藹藹。有希が珈琲を淹れてくれる。(「勝手知ったる他人の店」とは、このこと。)

 
午後の長い時間を、つぶとそこで過ごす。お店のクローズとともに、退散。
 仁尾町の叔母さん宅に寄って、古い机を譲ってもらう。
 PICASOで食材を買って、帰宅。
 今夜の晩ごはんは有希のアイデアで、エイの入った味噌鍋。〆は冷凍うどん。うまし。


 有希がネットで注文していた骨のおもちゃが届く。カウンタの上に置いてあるそれを、つぶが目ざとく見つけてしまったので、あげる。妊婦とは思えないイキオイで、遊んでいる。えーと……それで子犬はいつ産まれるの?

1月27日(金)こうなったら後できることはもう神だのみくらい

 頭痛は完治。
 午前中は仕事。
 愛犬つぶの体温低下から24時間経つのに、陣痛がまだ始まらない。昨日よりしんどそうなつぶを見ながら、はらはらとそわそわの両方。


 午後、とりあえず動物病院へ。エコー検査で、子犬たちの心拍数を確認。元気に育っているとのこと。逆子もなし。このまま帰宅して様子を見ることに。
 帝王切開が必要なのは小型犬だけなので、よっぽどじゃない限り、つぶくらいの中型犬は大丈夫でしょうとのこと。先生の話を聞いて、ちょっとほっとする。
 京都は清水寺で買った安産のお守りを、TVの前のよく見える位置に移動する。神様、お願い。
 晩ごはんは今夜も有希作。餃子を焼いたのと、お蕎麦の切れ端が入った野菜いっぱいのお汁と。いりこの出汁が効いていて、うまし。
 TVでやっていた映画「耳をすませば」をみる。ちゃんとみるのは今夜が初めて。今更ながら、こんな話だったんだーと合点。登場人物のおじいさんと、そのお店が何だかすてき。LAZYBONESみたい。それだけでもう、高得点。
 ジブリ映画は、作家性の強い宮崎駿監督作品ばかりを注目してたけど、他の監督作品にもシンプルですてきな作品はあるのだなあ、と。改めて。(宮崎吾朗監督の「コクリコ坂から」と、米林宏昌監督の「想い出のマーニー」はすでに大すきなんだけどね。)
 午前中は気だるい感じだったつぶも、午後の散歩はいつも通りに元気でした。明日は新月の大潮なので、もしかしたらもしかするかも。

1月26日(木)早起きは三文の徳と申しますが、とにかく寒いのは大の苦手

 早朝。愛犬つぶをトイレに連れ出す。霜が降りて、一面真っ白。朝焼けもきれい。


 起きぬけから頭痛がする。大事を取って、午前中眠る。
 11時頃の検温で、愛犬つぶの体温が低下。37.5度。微妙な下がり方だけど、用心に越したことはない。もしそうなら、24時間以内に破水、そして陣痛が始まるはず。動物病院に連絡を入れる。
 スピッツベーカリーでぱんを買って、LAZYBONESでお昼。有希が、お店の片隅に埋もれているオイルヒーターの存在を覚えてて、子犬が産まれた後の室温保持のためにかりて帰る。
 午後。頭痛が和らいだので、とりあえずは仕事。納品1件。
 仕事終わりで日記を書く。まだ微妙に頭痛が残っている。とりあえず、仮眠。
 仮眠から目覚めると、有希が晩ごはんを作ってくれてた。ミートソースのパスタ。昼間、実は仕事しながら、ちょうど食べたいなあと思っていたところ。まさしく、以心伝心。
 頭痛がひどくならないよう、すぐ就寝。そのまま朝まで。

2017年1月26日木曜日

1月25日(水)川田中屋!

 通常業務。
 お昼ごはんはラーメン。麺は即席だけど、野菜やお肉をたっぷり入れて、有希が作ってくれた。満足。
 納品と集金。
 愛犬つぶの部屋を作るのに使った工具を、one koanに戻す。年末年始の体調不良、つぶの出産準備などで改装はここのところ全く進んでいない。DIYの材料は買ってあるので、落ち着いたら再開したい。


 使っていなかった人間用の体温計を、つぶ用に下ろす。犬の平熱は38度前後。それが、陣痛がくる前に、一度37度くらいまで下がるんだそうだ。その予兆を知るために、計測を開始。検温は肛門に挿すのだけど、嫌がるだろうなあと思ってたら全然嫌がらず。さすがはつぶ、お利口さん。何度か計測するも、38.1度(平熱)。
 夜は、またしても水炊き。鶏肉ずき。
 録画しておいたNHKの「ブラタモ」、金毘羅さん(琴平)の回をみる。有希は若かりし頃、こんぴら歌舞伎のスタッフをやっていたことがあるので、金丸座(日本最古の歌舞伎小屋)の中はすっかり把握している。公演中、天井裏から紙吹雪を降らせたりしてたんだそうだ。貴重な体験だね。今年もこんぴら歌舞伎、ふたりで観に行けたらいいな。

2017年1月25日水曜日

1月24日(火)今更だけどくるりの新譜が結構いい

 今日はひとりで通常業務。外壁がスレート1枚の工場は、はんぱなく底冷えする。(大型の灯油ストーブを点けてはいるが、効率悪し。)
 くるり、新曲のミュージックビデオが、ウィスット・ポンニミット(日本で活躍しているタイ人の漫画家。ニックネームはタムくん。)のアニメーションだって今日の今日まで知らなかった。ぼくがタムくんずきなことを知っている有希が、「面白いのあったよ」って教えてくれた。ナイス。
 今日はつぶの出産予定日。まだ陣痛は来ない。5日くらいは後にずれることもあるみたいなので、気長に待つ。とにかく、母子共に無事やり遂げますように。願うことはただそれだけ。
 昼ごはんは三好うどんにて。肉かまたまといりこのおにぎり。うまし。
 工場が寒すぎたせいか、仕事終わりでおふとんに直行。仮眠。できるなら、冬は冬眠したい人。
 夜。今年になってすでにもう何度か足を運んでいるのに、いつもいっぱいで入れない行きつけの居酒屋とくしげへ。さすがの平日。今日はすんなりと入れた。そして、最近なかなかありつけていなかったぶりかまの塩焼き(数量限定)にもありつけた。やはりうまし。
 入店時、Sun cafeのササキさん御一行に偶然遭遇。隣の席に座ると、めちゃくちゃ歓迎される。お話ししたことのなかったSun cafeの女性スタッフさんから、「来店されるたび、おふたりの雰囲気に癒されてます。」とか面と向かって云われたんだけど、うれしいを通り越してさすがに恥ずかしひです。照。

2017年1月24日火曜日

1月23日(月)つぶのおなかのなかにある4つの大宇宙

 愛犬つぶの出産準備。仕事はお休み。
 動物病院で、レントゲンを撮ってもらう。おなかの中の子犬は4匹。2週間ほど前16.1kgだったつぶの体重は、現在18.6kg。子犬の成育状況は順調と思われます。
 つぶ懐妊後、かかりつけの動物病院を変えた。これまでは、つぶがウチにやって来てすぐ通い始めた善通寺市内の病院で、別に悪くはなかったんだけど、通うにつれつぶが怖がるようになってしまった。(駐車場に着いた時点で、ぶるぶる震える。)いいタイミングだったので、前から気になっていた隣町の動物病院に連れて行ってみてる。おやつで釣りながら、何とか慣れさせているところ。
 出産に際しての注意など、一通り聞く。説明は、とても丁寧。そして、「出産の時に何かあったら電話をください」とも。とても親切。
 つぶの産床を、DIYで作った。扉だけできていなかったのだけど、試行錯誤しながらようやく完成。何とかうまくいった。
 夜。有希が実家から殻付きの牡蠣を持ち帰る。シンプルに酒蒸しでいただく。その出汁でリゾットも。うまし。

2017年1月23日月曜日

1月22日(日)「反戦」ではなく、ほんとは「非戦」であるべき

 休日。
 午前中はやはり、前日の日記を書く。仕事をしている平日は、仕事の休憩時間にちょこちょこ書いていくのだけど、余裕がないから文章がとても稚拙になる。推敲して、推敲して、推敲して、結局、夜にやっと完成する。その点休日は、文章を書くことだけに集中できるから、早い。
 昼前。起きてきた有希と、昨日みた演劇の話をする。コンセプトで評価されている(?)演劇について。
 高知に出発するまでまだ少し時間に余裕のある有希を残して、ぼくだけ先に外出。
 仁尾町のSun cafeへ。白方牡蠣とブロッコリーの1月限定ピッツアを頼む。浅野君とこのレモンをたっぷりかけて、いただきまーす。うまい。
 その後、すぐそばのcafe Verandaへ。愛犬のつぶと行くことが多いけど、今日は1人。そのカフェの看板犬ジャンくんは、ぼくが来るとつぶも必ず来ていると思うらしい。ぼくのコートやズボンについているつぶの匂いを確認したら、玄関までいそいそとお出迎え。でもつぶは、一向に来ない。「あれれ?」って、ちょっと混乱気味。「ごめんねー。今日つぶは、お家で留守番なんよ。妊婦さんやけん。」
 海側の席に着いて、紅茶を頼む。持って来た本を、片っぱしから読む。
 漫画版「この世界の片隅で」、読了。映画で改変した箇所が、どうしても知りたかった。戦争中にも日常はあって、現代のそれと本質的には変わらない。起きて、朝ごはんを食べて、仕事に行って、仕事して、お昼ごはんを食べて、仕事して、帰宅して、晩ごはんを食べて、お風呂に入って、寝る。戦争の影はそこに、少しづつ侵食してくる。しかし、多くの人の関心事はそれでも、「今夜のごはんはどうしようか」とか、「限られた食材でどう乗り切ろうか」とか、「自分のすきな人は果たしてほんとうに愛してくれているのだろうか」とか、「この家にわたしの居場所はあるのだろうか」とか、そんなことばかりなのだ。そういう視点から描いた戦争漫画は、これまでなかった。戦争という非日常の中で、暴力に抗うことばかりがテーマとして掲げられてきたからだ。
 ネット上の批判には、「反戦色」をなくし過ぎだという言い分が見つけられる。でも、そうだろうか?戦争は突然始まるわけじゃない。そのはるか前から兆候はあって、国は『戦争ができる状況』を少しづつ整えていく。国民の多くは、その過程を「戦争」とは認識しない。爆弾が降ってきて、身近な人が死んで、そこでやっと「これが戦争なのだ」と実感する。そうなった時にはもう手遅れだ。暴力が、無辜の人々の命を根こそぎ奪い去る。
 主人公のすずは、流されるがままに生きてきた。この人生を、自分で選んだという自覚もない。結婚をしても、子どものままで居られた。しかし、彼女が大事にしているものを、戦争は容赦なく奪っていく。そしてそれは彼女を、否応なく大人にする。「うちも知らんまま死にたかったなあ。」この台詞がどんなに重いか…。
 本から顔を上げる。すっかり、長居してしまった。窓の外は冬の嵐。横なぐりの雪が、鋭く吹きつける。
 コートを着て、マフラーを巻いて、代金を払って。スタッフのおふたりと、しばし犬談義。ひとしきり話した後、お店を出る。雪はすでにやんでいる。
 夕方、つぶの散歩。そこいらをぐるり。
 西日本放送の中桐アナウンサが、演劇をテーマにしたラジオの生番組をやるらしい。有希のボスであるシアターデザインカンパニーの植田さんも出演するということなので、車の中のラジオで聴く。スマホからメールも出したが、採用はされなかった。残念。でもこんな風に、地元密着のメディアがもっともっと取り上げてくれたらいいね。
 今夜もPICASOで、お惣菜を買ってきて、食べる。1人だと作るのメンドクサイ。

2017年1月22日日曜日

1月21日(土)愛とは本来、それだけを名指して語られるべきではない

 休日。
 午前。朝ごはんを食べないまま、日記書いたりごぞごぞする。さすがにおなか減った。
 昼前。有希が徳島に向かうのを見送って、ぼくも外出。善通寺へ。こがね製麺でうどんを食べて、四国学院大学内のノトススタジオへ。青年団のお芝居「愛の終わり -Clôture de L'amour」を観る。
 昨夜から、独り芝居づいている。正確には独り芝居ではないのだけど、演出のコンセプトとしてそうなっている。内容は、別離(タイトルの通り、愛の終わり)を迎えたカップルが、互いの言い分をまくし立てるというもの。前半は男の言い分。後半は女の言い分。きっかり、半々。片方が発言している間、もう片方は発言をしない。そういうルールに則って、演じられる。ただし、無言のリアクションはある。相手から言われていることに反応して、もう片方はその場でうつむいたり、憤ったり、泣いたり、絶望したり、崩れ落ちたりする。「こういう演出もありなのか!」という感じ。
 正直。他人の恋路ほど、どーでもいーものはない。双方の言い分をどんなに細かく聞いたところで、当人同士にしか解からない『機微』については、第三者が客観的に判断できるシロモノではないからだ。聞くだけ不毛じゃないか…。お芝居とはいえ、それを2時間20分たっぷり聞かされた気分。面白かったけど、さすがに疲れますた。
 男は、一方的に悪態をつく。ここぞとばかりに、女を責め苛(サイナ)む。一方の女は、男の悪態に傷つきながらも、ふたりが確かに歩んで来た道程の全てを肯定する。「薔薇の刺繍が入った椅子だけは俺が持って行く。」という男に対し、女は「わたしは何も要らないわ、全部あなたにあげる。でも、あなたと恋に落ちた瞬間の、あのあなたの笑顔を、私は持って行くわ。」と云う。「あなたがこの愛を独りよがりに終わらせるのだから、わたしもいい想い出だけ独りよがりに持って行くわ。あなたにそれを汚す権利はない。」女の確かな『愛』を前に、男はなす術もない。
 ノトススタジオから徒歩1分の距離に、カガラカンという雑貨屋さんがある。フェアトレードの商品や作家ものの雑貨を扱うお店で、珈琲が飲めるスペースもすこしだけある。観劇後、そこでカフェオレを飲みながら、店主さんと雑談をする。
 夕方。愛犬つぶの散歩。妊娠中なので、そんなに遠くまでは行かない。つぶの退屈をまぎらせる程度。
 また、外出。
 ホームセンターで、愛犬部屋の扉と蝶つがいなどの部材を買う。
 docomoショップで、スマホ契約1ヶ月目のオプション選択。有料のサービスは、基本的なものを残して全て削除。映画やドラマが観れるというサービスにすこし心を動かされるも、テレビで観るには別に機材が必要と云われた瞬間に、すっかり冷める。要らない。(スマホの画面で映画を観るのはさすがに無理。)
 本屋で、漫画「うどんの国の金色毛毬」第9巻を買う。アニメは終わってしまったけど、漫画はまだ続いている。(アニメのあの終わり方は不服だ。漫画の最終回は、それと違うことを願う。)
 スーパーで半額になったお惣菜を買って、帰宅。

2017年1月21日土曜日

1月20日(金)真夜中の珈琲

 通常業務。
 昼休みはLAZYBONESへ。いつものパターン。
 午後3時過ぎに納品1件。
 今週末の寒波に備えて、ストーブの灯油を2缶確保。夜の外出に備えて、車のガソリンも満タン。
 夜は、高松へ。有希が制作を手がける舞台公演を観に行く。清水宏さんのスタンダップコメディ。スポンサー探しの顛末を、面白可笑しくひとり語りする演目。基本、大爆笑なんだけど、たまにほろっと泣けそうなところがあったり。表現としては、ものすごくシンプル。自分の経験したことを、言葉にして他者に伝える。彼はそれを、コメディという枠でやっている。
 スポンサー探しの全過程は、ビデオでも記録していたらしい。最初と、途中と、最後に流される映像が、作り話でないことを証明している。話に出て来た会話も、そのまんま。
 ふと。ぼくがこのブログでやっていることも、基本的には同じだよなと思い当たる。自分の経験したことを、言葉にして他者に伝える。コメディ要素は皆無だけど、日常のほのぼの要素は満載…かな?
 若かりし頃は皆んな、『ひとかどの何者か』になりたがる。「自分探し」と称して、非日常を生きようと必死に試行錯誤する。でも或る日、ふっと我に返るのだ。「ぼくは一体、何をしてるんだろう?」
 そうして、がむしゃらだった自分はとうの昔からトクベツだったことに気づく。「この人生をちゃんと生きられる人間は、自分以外に誰も居ない。」殊更トクベツ感を装わなくても、自分はこれまでも常にトクベツだったのだ。遠回りをしてみて、やっとそれに気づく。
 帰り。公演会場で遭遇した義くんと、讃岐ロックで中華そばを食べる。餃子はぼくのおごり。(唐揚げが品切れになっていたのが、ヒジョーに残念だった。そのうちリベンジしたい。)
 せっかく高松に来て、すんなり帰るのももったいないので、牟礼町まで足をのばしてRemzaへ。アップルタルトとショコラブレンドの珈琲で、店主とひとしきり犬談義をして帰る。

1月19日(木)ドーナツの穴の哲学

 通常業務。
 妊娠中の愛犬つぶ。いよいよおなかが張って、重そうだ。昨夜からごはんを食べないのは、そのせいかしら?すこし心配。
 午後3時過ぎ、納品。天気がくずれるといけないので、明日納期の分を今日持って行く。
 夜。晩ごはんは東方紅。今夜は有希のリクエスト。そしてこれから彼は、制作の追い込みに入る。チケットの売れ行きが芳しくないらしい。ひとりでも多くの人に来てもらおうと、友人・知人に声をかける。制作の仕事ってほんと、縁の下の力持ちなんだなあと。お疲れさん。
 つぶは、晩ごはんも食べなさそうだったので、有希が、ドライの砂肝をお湯で煮だしたものをドッグフードにかけてくれた。匂いにそそられたのか、完食。一安心。(まさに育児、だなぁ。この試行錯誤。)
 録っておいたTVドラマ「カルテット」の第1話をみる。ぼくは2回目だけど、有希におすすめしてたので再度一緒に。坂元裕二の脚本が独特で面白い。有希曰く「ちょっと演劇的でもあるね」って。会話劇、のような。
 主題歌を椎名林檎が書き下ろしたという点から興味が湧いたんだけど、今期のドラマではいちばん面白そうだ。ちゃんと通してみてみよう。肝心の主題歌は、主演している俳優の4人が唄ってるんだけど、唄い方まで椎名林檎っぽくなってるのがいただけない。デモに入っている椎名林檎の仮歌につられるのか、それとも特徴ある楽曲だからそうならざるをえないのか?聴いてるうちに慣れるかしら?曲としてはやはり、興味深い。「おとなの掟」。早速、椎名林檎本人によるセルフカバーを聴いてみたくなる。斎藤ネコ(と椎名林檎)による四重奏アレンジ。

2017年1月19日木曜日

1月18日(水)というぼくもれっきとした昭和生まれなのだ

 通常業務。
 お昼ごはんは、有希と三好うどんへ。いつもの鶏天ぶっかけと、いりこのおにぎり。
 帰り。つぶ部屋の扉を買うためホームセンターに寄るも、「棚卸しのため臨時休業」。間が悪し。
 午後に納品1件。
 夜。有希は高松で友だちと会食なので、ぼくはひとり近所の台湾料理屋さんへ。外がまだ明るいうちに、作業服のまま来店。店内のテレビで流れていたのは大相撲中継。この、そこはかとない昭和感。(中島みゆきの「蕎麦屋」という歌が脳内再生されていた。)
 初めて、豚バラ炒飯を頼む。メニューの見本写真は薄い色なのに、出てきた山盛りの炒飯が真っ黒!そのギャップに、まずびっくりする。見かけに反して、味は繊細でおいしかった。さすが、東方紅。
 就寝前に、漫画「この世界の片隅で(上)」を読み始める。3分の1ほど残して、あえなく入眠。

2017年1月18日水曜日

1月17日(火)秘密基地

 午前10時過ぎ、仕事を早退。今日は有希がお休みなので、ふたりで愛犬つぶの出産準備をする。
 たちまち、動物病院へ。出産を前に、何頭産まれるのかをあらかじめ把握しておかなければならない。レントゲン写真に、はっきり写った背骨は3つ。後は、心もとない筋が幾つか。病院に来るのが遅くなったかなと焦っていたものの、何頭かの子犬は身体が完全には出来上がっていないらしい。併せてやってもらったエコー検査では、しっかり脈打つ子犬たちの心臓が見てとれた。


 出産予定日は、交配日からちょうど2ヶ月後の1月24日。ヒトと違って、犬の妊娠期間はひどく短いのだ。野生で暮らす動物には外敵が多いからこその生態なんだろう。
 今週末にも産まれるんじゃないかとはらはらしてたけど、「まだ1週間くらいはかかりそうです」という獣医さんの見解に、心なしかほっとする。
 来週、もう一度レントゲンを撮ってもらおう。その時にこそ、はっきり写るといいな。
 動物病院に行った足で、LAZYBONESへ。かつべさん&けいこさんに、つぶの懐妊を報告。一緒によろこんでくれる。
 帰宅後、部屋の大掃除と片づけ。つぶの産室を作るために、場所を空けなくてはいけない。机と本棚を移動。有希の旅行バッグや当分使わないクリスマスオーナメント、置き場所がなくなった椅子などはone koanへ持って行く。
 会社のトラックを借り、丸亀へ。ホームセンターにて、産室を作るための合板を4枚購入。
 cafe la taupeで晩ごはんを食べ、そそくさと帰宅。
 DIY開始。合板4枚を木ネジで止めて、箱状態にする。ただし、扉は後日つけるので、3面のみ。あまり遅くならないうちに、そこまでは完成した。


 有希くん曰く、「何だか押し入れの中に居るみたい。落ち着く…」と。確かに、子どもの頃作った秘密基地みたいだ。
 後日、蝶つがいを買って来て、扉もつける予定。つぶが慣れるまでは、自由に出入りできるよう開け放しておく。子犬が産まれたら、ここがそのまま子犬たちの部屋になる。それまでは、つぶが心地よく産むための場所として整えておこう。
 それはそうと。今日はつぶの誕生日なのだ。3歳、おめでとう!これからも、お父ちゃんたちをどうぞよろしく。

2017年1月17日火曜日

1月16日(月)平穏な恋

 通常業務。
 注文していた野原くろさんの同人誌「キミノセナカ」が届く。ゲイ雑誌に連載を持っている漫画家さんで、等身大のゲイを描いた作品が多い。今回は、幼なじみに恋心を抱いている高校生男子のお話。結局成就しないけど、告白はまっすぐに受け止められる。青春の多感な時期に、こういう平穏な恋のできるゲイ男子は、それだけで幸せだよなぁと思う。大抵は拒絶されて、下手したらイジメの対象になって、辛い思いをする人の方が多いから。ゲイといっても、同じ人間なのにね。恋の痛みは、誰でも同じなのに。
 夕方。急に体調が悪くなる。布団に入ってしばらく寝たら、何とか回復。
 晩ごはんは、坦々鍋。〆の雑炊まで、おいしかった。

2017年1月16日月曜日

1月15日(日)縁はフクザツに絡みあって未来を紡いでくれる

 早朝、愛犬つぶに起こされる。「トイレ行きたいですー。」(寝ているぼくの顔を舐めて、主張する。)寒波到来で部屋すでに寒し。いのいちばんにストーブを点けて、コートとマントとマフラーをしっかり着込んで、いざ外へ。さっと終わらせて、部屋に戻る。(つぶは、余計なマーキングをしないようしつけてあるので、トイレが終わったらさっさと戻ってくれる。)あんまり寒いので、ストーブ点けっぱなしで2度寝。
 結局、昼過ぎまで眠る。
 起きぬけに、ぜんざいがムショーに食べたかったので、冷蔵庫に眠っていた山清のあんこと、有希が数年前に作って冷凍してあった白玉で、作って食べる。おいし。
 大掃除、再開。
 昔のファイルをひたすら分別。まだ、終わらない。懐かしい写真が大量に発掘される。西日本放送ラジオで仕事してた時の、アナウンサさんやディレクタさんと撮った写真が思いのほかたくさん出てきて、びっくり。後は、詩の朗読をやっていた時の写真なんかもたくさん出てきた。それから、終わった恋の残骸なんかも…。どうしても、捨てられない。それは未練なんかじゃなく、今の自分があるのはそれらの恋をちゃんと乗り越えて来たから。その物的証拠。全部片想いで、どれひとつ成就しなかったけど、ぼくの独りよがりな感情を受け止めてくれた人たちにはとても感謝している。確かめる術はないけど、彼らも今ごろ幸せでありますように。
 有希と出会う前、共通の友人が出演していて、なおかつ最初で最後(たぶん)に有希が役者をしたお芝居「わが町」のパンフレットも発掘される。「制作」と「登場人物」の項に名前を発見。集合写真にも小さく写っている。ぼくらが出会う3年も前に、ぼくと有希はすれ違っていたのだ。『縁』というやつは、なんて不思議なんだろう。
 夜。宇多津のPizzeria Marinoにて夕食。その後、AEONシネマにて映画「この世界の片隅に」を鑑賞。しばらく買わないよう心がけていた映画のパンフレットを、思わず買ってしまうくらいには名作。素晴らしい。

1月14日(土)寒い日の温かい仲間たち

 仕事、休み。大掃除、再開。
 途中、愛犬つぶのトリミング。有希はバリカン、ぼくははさみを片手に、伸びっぱなしの毛を大胆に刈っていく。顔&首まわりはぼくがすきばさみで、おなかとおしりと後ろ足は有希がバリカンで。生まれてくる赤ちゃんの世話をつぶがしやすいように。生まれてくる赤ちゃんがお乳をすぐ見つけられるように。結果、だいぶん不格好にはなったけど、すっきりした。後ろ足からおしりにかけてを極端に短くしたので、半分だけカモシカみたいだ。ふたりして、笑う。つぶは、きょとん。
 お昼ごはんのタイミングを失ってしまい、2時半ごろ軽く食べる。冷凍うどんで釜玉。
 夕方、高速で高松へ。有希が幹事をする演劇仲間の新年会に、ぼくもオマケで参加。シアターデザインカンパニーの植田さん、劇団マグダレーナの中ちゃん、大垣さん、前田君、宮田さん、桂子さん、諸岡さん、和泉さん、秦さんたちに再会。わいわい、楽しい夜は更ける。
 寒波と雪のため路面凍結が心配な午前3時半。そろそろと低速で、ぶじ帰宅。

2017年1月14日土曜日

1月13日(金)人生の段階で必要な本ってあるね

 またしても、起きぬけに夢をみた。古い木造の建物で、古物市をしてる。そこで買い物をするという夢。見知らぬ女性が出てきて何か話したけど、何の話をしたかまでは覚えていない。
 通常業務。昨日に引き続き、朝いちばんの納品。今日は、天気が崩れるといけないから。寒波、到来。外で作業している取引先の人と、「今日は寒いねー」とねぎらいあう。
 お昼休み。昼食にスピッツベーカリーのぱんを買って、LAZYBONESで珈琲を飲みながら食べる。外出してた有希も、少し遅れてやって来る。店主のかつべさんを交えて、3人で歓談。
 仕事終わりの夕刻。不要な本や雑誌・家電・洋服を車に積み込んで、宇多津・丸亀方面の中古ショップへと向かう。査定して、買い取ってもらう。総額2000円になったかならないか。まあ、妥当。(或いは、いい方。)
 本は特に、不要なものがたくさんあった。悩み多き時代に買った人生相談やら、スピリチュアル系やら、有名人のエッセイやら。(総称して、自分探し系?)ぼくにはもう必要ない。消化できたから。必要としている次の人に届きますように。
 まっすぐ帰宅。簡単に夕食。

1月12日(木)何気ない日々でも、言葉にして残しておくとたくさん発見があって面白いね

 起きぬけに、何か夢をみてた。内容は、どうしても思い出せない。
 通常業務。
 納期遅れの仕事を昨夕ようやく完了したので、朝いちばんに納品。納品は普段、終業時間ぎりぎりに行くことが多いので、午前中の早い時間に行くと違和感を覚える。何だか居たたまれないような…不思議な感覚。
 納品の際に引き取って来た試作品2本。昼過ぎには加工完了。さくっと終わらせる。
 晩ごはん。パスタが食べたかったので、トマトスープ鍋にする。(昨夜の、水炊きの残り出汁を有効利用。)有希がなかなか帰って来なくて、なおかつお腹が空き過ぎていたので、一足先に食べ始める。直後に、有希も帰宅。残りは一緒に食べる。〆はもちろん、パスタ。(パスタは別の鍋で湯がいたものを投入した方がおいしいということを発見。次回からはちゃんとそうする。)
 愛犬つぶのお腹が日毎に大きくなる。出産予定日は1週間ほど後。寝る前に毎日、安産祈願。

2017年1月12日木曜日

1月11日(水)個人商店、万歳!

 通常業務。
 ネットで注文していた細野晴臣のアルバムCD「FLYING SAUCER 1947」(2007年)と「HoSoNoVa」(2011年)が届く。細野さんの、低音のきいたダンディーな歌声がすき。
 夕方。有希と、最寄りのスーパーマーケット「PICASO」で買い物。ここは元々「マルナカ」だったんだけど、「マルナカ」がAEONグループの傘下に入るタイミングで、果敢にも独立して「PICASO」という名前になった。ぼくらはその決断を大いに評価している。だから、日々の買い物をする時はなるべく「PICASO」でするよう心がけている。個人商店、万歳。
 晩ごはんは水炊き。昆布と、ぶつ切りの鶏肉で出汁をとる。有希くん曰く、これが正式な水炊きなんだとか。へー。
 昨日から写真なし。これという光景がなかなか閃かず。義務にするとしんどいので、今日もなし。

2017年1月11日水曜日

1月10日(火)天国の音楽

 通常業務。
 大掃除の疲れがとれないままの1日。平日の夜はやはり、大掃除を再開する気になれない。
 夜。残っていたシチューを、有希がグラタンにしてくれる。ぼくはこういうバリエーションがなかなか思いつかない。ペンネを茹でて、その上にシチューをかけて、チーズを削って、オーブンで焼く。おいしかった。
 ネットで注文していた細野晴臣のCD「Heavenly Music」が届く。2013年発売のアルバム。彼のソロデビューアルバム「HOSONO HOUSE」(1973年)と近い音がする。人は、歳をとればとるほど原点に帰結するんじゃないかしら。そんなことをぼんやりと考える。

2017年1月10日火曜日

1月9日(月・祝)大人になるというのはどういうことか

 祝日。成人の日。
 そもそも、「成人式」って必要なの?ぼくは19年前に参列したけど、意義なんか全然感じなかった。社会に出て2年やそこらでは(ぼくは高卒)、誰も大人になんかなりきれていない。むしろ30歳になった頃、同窓会で再会した同級生たちがそれぞれに困難な現実を生きていることを知って、ようやく実感できた。実際はそんなもんじゃないかしら。
 大掃除、再開。ひたすらに拭き掃除と、物の分別。必要なものは、改めてしまうところを定める。必要ではないものは、いさぎよく廃棄。
 20代初頭の頃、ファイリングするのが習慣だった。自分の行った展覧会やライブイベントや映画や演劇やアートパフォーマンスのチケットやチラシ。図書館でかりて読んだ本から共感するページをコピーしたもの(結構大量)。自分がアーティストとして関わったイベントのメモや資料。
 自分が鑑賞する側だったものは、忘れてしまっているものの方が多い。残されている資料を見ても、特に何の感慨もない。よくもまあこれだけたくさん観てたなということくらい。何かしら、無意識下には残っていることを期待して、捨てる。
 捨てられないのは、自分が『表現者』として関わったもの。当時は、本名の他にa-qui.(アキ)という名前でも活動していた。ただし、どちらの表現も手を抜いてはいない。全速力で駆け抜けて、そのとき出せるものは全て出し切った。その履歴を、今更のように振り返る。
 夜。有希が、おばあちゃんのカレーを持って帰る。アボカドとセロリのサラダ(有希作)をつけ合わせに、食べる。やっぱり、おばあちゃんの料理はどれもおいしい。
 食後も引き続き、大掃除。24時過ぎにやっと、中断。

2017年1月9日月曜日

1月8日(日)Homme Angelique

 大掃除、中断。昨日拭き掃除ばかりしていたから、手荒れして痒い。ハンドクリームつけてるけど、追いつかない。
 外は雨。どこにも行かないで、部屋に引きこもる。
 夜。行きつけの居酒屋に行くも、満席で入れず。店を変え、山岡でとんかつを食べて帰る。
 片づけをしていたら、18年前に私家版として作った第1詩集をクローゼットの奥で発見。今年の目標は、この本を復刊することに決めた。活版印刷で復刊できたら最高なのだけど…。表紙と中表紙の絵は、シャガールを意識して描いた。当時はまだ、自分の絵を見つけられていなかったのだろう。この2枚は、今の絵に差し替えたい。
 実はもう1冊、ファイルにまとめた第2詩集がある。それは結局、『本』というカタチにはしなかった。それも一緒に発行できたらいいな。
 有希。咳は止まったが、身体の不調は治らない。ひき続き、心配。

2017年1月8日日曜日

1月7日(土)おじいちゃんとタヌキの心温まる風景

 年末にできなかった大掃除を開始。
 昼食は、今年初めての三好うどん。年始の挨拶。
 one koanで使うことを想定して買ってあるものを、one koanに運ぶ。物置状態にならないよう、厳選して。
 昨年の初夏one koanの庭に植えた4種のミニトマトが、まだ実をつけている。もちろん熟れずに青いままだけど、土の栄養がいいのか立派なものがいくつもなるのだ。それを収穫して暖房の効いた室内に置いておくと、いつのまにか熟れて色づく。もったいないので、そうやってまだ食べている。
 one koanからの帰り。とある農道を車で走っていると、今年も早々に遭遇できた。飼いタヌキを散歩させているおじいちゃん。昨年アニメーションでも放送された漫画「うどんの国の金色毛鞠」は、人間の子どもに化けたタヌキと青年の心温まる物語だったけど、まさにそれを地でいく光景。おじいちゃんがタヌキを見守る視線に、とてつもない愛情を感じる。夕方の4時代に散歩させていることが多いので、彼らと遭遇したいがためにその道を選んで通る。声をかけたことはないけれど、それに遭遇できた日はとてもLUCKY。ささやかな楽しみ。
 夜ごはんは、ぼくがシチューを作った。アボカドのサラダと、自家製のミニトマトも一緒に。
 年末から引きずっている有希の咳が、まだ止まない。ちょっと心配。

2017年1月7日土曜日

1月6日(金)これからの人生、あなたは誰とどんな音楽を聴いて生きていくのでしょうか

 通常業務。急かされていた試作品2本を仕上げる。納品。
 昼休み。スピッツベーカリーで昼食のぱんを買って、LAZYBONESへ。年始の挨拶。そして、借りていたCDの返却。いつもの珈琲。
 年末年始、Hi-Fiレコードストアで5400円以上の買い物をすると、小西康陽(pizzicato one)氏選曲のノベルティCD「これからの人生。」がもらえる。それを目当てに、毎年そこのネットショップで中古レコードを購入する。
 前回は手頃な値段のレコードを3枚買ってその値段に達したのだけど、今回はBlossom Dearieのレコードを1枚だけ。プレミアのついたレコードなので、高かった。ジャズシンガーとして有名なBlossomの、これは全編オリジナル曲のみを収録したアルバム。聴くの、楽しみだ。
 夜。有希の帰宅を待って、豊中町の居酒屋・紙芝居へ。年始に、ここのバッテラがどうしても食べたかったのだ。正解。やはり、うまい。ぼくも久しぶりに外食で、日本酒をいただく。熱燗。
 借りていたレンタルDVDを返却。
 ベッドの中で、「これからの人生。」を堪能。やはり、よい。就寝BGM。

2017年1月6日金曜日

1月5日(木)呪いを解く方法教えます

 2017年、仕事始め。新しい作業服に腕を通して(古着だけど)、気分も刷新。
 取引先に、納品を兼ねた新年のご挨拶。「今年もよろしくお願いします。」
 夜。牡蠣鍋を食べながら、録画しておいたお正月ドラマ「富士ファミリー2017」をみる。木皿泉の脚本。
 子どもの頃、親しい人から云われた何気ないヒトコトが、その後の人生にも延々と影響を及ぼし続けることってある。木皿泉の脚本では、良くないそれを「呪い」と呼んでいた。ただ、ぼくの考え方はちょっと違う。どんな『ヒトコト』にも良し/悪しはあれど、たちまち判別がつくものではない。人生のときどきに『良いこと』として作用することがあれば、逆に『悪いこと』として作用することもある。「呪い」か「呪いでない」かは、人生が終わる時まで判らない。それは相当やっかいなシロモノ。
 ドラマの中で語られる『呪いを解く方法』はひとつだけ。他の誰かから必要とされること。古今東西のお姫さまはみんなそうやって、呪いを解いてもらうのだ。王子さまから必要とされることで。なるほど。
 寝しな、愛犬つぶのおなかをなでる。だいぶ出てきた。ぽっこり。何匹生まれてくるのかなぁ?とにかく、母子ともに健康でやり過ごせますように。安産の神様、よろしくお願いします。

2017年1月5日木曜日

1月4日(水)お年玉は貯める派?使う派?

 Facebookではつながっているものの、実際にはお会いしたことのない人が何人か居て、「すぐにでもお会いましょう」とメッセージを取り交わしたにも関わらず、タイミングを逃して会えないままだったひとりから、ふいにメッセージが届く。今度こそはと、午後いちばんに会食の約束をする。
 豊中町、暮らしの森にてランチ。
 共通の友人に紹介されて、一度会って話してみてほしいといわれていた人。共通項には事欠かないので、最初から最後まで喋り通し。たった1時間なのに、半日くらい喋ったかのような感覚。不思議。
 本業の作業服を限界まで着つぶしたので、昨年末から新しい作業服を探していた。ただし、市販されている作業服はもう着たくないので(下にいくほどしぼられるシルエットがきらい)、作業服として着れそうな手頃なジャケットを古着で探している。観音寺のとあるお店で、満足いくものを発見。菊池武夫とUnited Arrowsのワークスタイルジャケット各1680円。パンツは、古着で合うのを探す方がむづかしいから、GUのブラックジーンズ(ストレート)にする。2490円×2本。明日の仕事始めから、これを着よう。そのままプライヴェートな外出にも着ていけるくらいのデザイン。新年早々、よい買い物をしました。
 夜。有希の実家でお鍋をごちそうになる。とても高級なお肉。おいしかったです。
 有希のお母さんに録っておいてもらったNHK-BSの番組「名盤ドキュメント・矢野顕子『Japanese Girl』」をみる。伝説のあのアルバムがどうやって生まれたのかを検証していく音楽番組。「やはり、矢野さんはすごい。」それに尽きる。
 番組が終わる頃、ふと見ると川田家全員がこたつでうたた寝しているではないですか。つぶとふたり、顔を見合わせる。「郷に入っては郷に従え」と申します。ぼくとつぶも、追ってうたた寝。
 深夜2時過ぎ、ようやく帰宅。

2017年1月4日水曜日

1月3日(火)このカフェに集う人たちはまるで家族みたいだ

 床に伏せってからの1週間。病院へ行くのと食材買い出し以外で外出することは極力避けていた。そんな療養の日々に、ようやく終止符を打つ。
 有希、そして愛犬のつぶと、今年初めての外出。
 丸亀のラーメン「りょう花」で昼食を食べ、高松へ向かう。
 14時頃、カフェRemzaに到着。新年の挨拶。そして、珈琲(コスタリカ)とくるみのケーキを注文。
 初詣に行くことも考えたが、体調が悪化してはいけないので。今日はまだ、大人しくしておこう。いつものように読書したり、絵を描いたり。隣に居合わせたお客さんと、ひとしきり犬談義。「なんて大人しくてお利口さんなの?」と、つぶは相変わらず褒めちぎられている。
 10月を最後に、しばらく描いていなかった絵を久しぶりに描く。描き初め。


 川田中家は、Remzaで年越し予定だった。まさかのインフルエンザで楽しみにしていたそれが叶わなかったから、今日はその分をゆっくりさせてもらった。常連さんたちにも、新年の挨拶。
 夜。よろずやweekend jazz bandの植田家がやって来る。今年もよろしくお願いします。由起さんが、家族団欒の写真を撮ってくれていた。とてもいい写真だったので、拝借。


 帰り、高松市内の小ぎれいな居酒屋で晩ごはんを食べる。それほど安くないのに、特においしいというわけでもない。ひたすら微妙。やっぱり、地元の行きつけがいちばんだよねって云いながら、帰路に。
 帰宅後、田中家で新年の挨拶。めいっ子ふたりに、おじさんたちからとお年玉を渡す。よろこんでもらえて、幸い。

2017年1月3日火曜日

1月2日(月)ひとつしかないたい焼きをふたりで食べる

 初夢をみたということ自体は覚えているのだけど、どんな内容だったかすっかり忘れてしまった。起きぬけにはまだ覚えていたのにな。
 インフルエンザは完治したものの、喉の奥に痰がたまる。それが気持ち悪い。
 有希、家業の方の初仕事。お疲れさん。
 彼の居ない間に、かりてるDVDの残りをみる。
 アメリカ映画の「ウォールフラワー The perks of being a wallflower」(2012年)。これは20代の頃、読んですきだった小説の映画版。とはいえ、内容をすっかり忘れていた。ゲイの登場人物が出てくるということくらい。映画をみながら、「そうそう、こういう話だった」と思い出す。プロムのシーンが出てくるところや、映画「ロッキーホラーショー」を演じながらみるところ、友だちを我が家に呼んで盛大にホームパーティをするところなんかは、いかにもアメリカらしい。
 英国映画の「プライドと偏見 pride & prejudice」(2005年)。ジェーン・オースティン原作の映画は大すきなのに、キラー・ナイトレイ主演のこのいちばん有名な作品はみていなかった。映画というのはやはり、キャスティングの妙が大きいのだなという印象。もちろん、よかった。
 インフルエンザを他人に感染させたらいけないとずっと引きこもってたけど、ほぼ完治したし、もうそろそろ外出しても大丈夫だろうか?さすがにいい加減、飽きたよー。
 夜、有希が実家から牡蠣フライをもらって帰る。生牡蠣か、酒蒸しで食べたかったなあ。嗚呼、インフルエンザの馬鹿。
 昨年末話題になった「おっさんずラブ」という企画系ドラマが、ネット配信されていたのでみる。吉田鋼太郎が、ゲイのおっさんを熱演してる。舞台出身の演技派俳優が、どんな風にゲイを演じるのか興味津々だったんだけど、納得。異性愛者を演じるのと、大差ない。それで正解。重箱にお弁当作ってくるところとか、手編みのマフラー作っちゃうところとか、外見はただのおっさんなのに中身はムショーに乙女乙女しててかわいかった。こういうのあるよねーと思いながら、みる。(何だか自分にそっくりじゃないか、とも。)
 minus(-)をiPodで聴きながら、就寝。

1月1日(日)美しさはどうやって作られるのか

 昨日までの日記を、午前中の早い時間に書いてしまう。
 正午頃。ぼくがお昼寝をしている隙に、有希がどこかで白餅を買って来てくれる。それで、お雑煮。お正月らしい料理が食べられてうれしい。
 年末に予約しておいたminus(-)のアルバムCDとライブDVDが届く。minus(-)は、SOFT BALLETの藤井麻輝と森岡賢によるユニット。昨年、ファーストアルバム制作中に森岡賢が急逝し、名実ともに彼の『遺作』となった。だから、ライブDVDに収められた2つのライブは、彼が居た最後のライブと彼が居なくなった最初のライブ。ファンにとっては、悲しい現実を突きつけられる作品である。享年49歳。早すぎる。彼の才能をまだまだ見届けたかった。とあるインタヴューによると、藤井麻輝は森岡賢の遺志を引き継ぎこのユニットを継続させるそうだ。それが何よりの救い。R.I.P.
 夜、寄せ鍋。
 かりておいた映画「イヴ・サンローラン」のDVDをみる。同じ時期、全く同じ題材を扱った「サンローラン」という別の映画も作られていて、どちらにしようか迷ったのだけど、「イヴ・サンローラン財団公認」の言葉につられて先の方にした。正解。映像が、とてもシックで美しい。また、ゲイであったイヴ・サンローランの、これまで言及されて来なかったプライヴェートな部分まで描かれていた。ランウェイで、ショウの最後にはにかみながら笑顔を見せるイヴ・サンローランしか見たことがなかったので、ある意味衝撃だった。もうひとつの作品も興味津々ではあるが、さてどうしたものかな?

2017年1月1日日曜日

12月31日(土)青春の日々を葬る人たち

 今年、最後の日。
 たまっていた洗濯ものを片づける。
 朝兼昼ごはん。「何か、甘いものが食べたい。」というぼくのリクエストに、有希がフレンチトーストで応えてくれる。こういうメニューをさくっと作れちゃうところ、いつも感心する。センス、だね。セロリとレタスのサラダも美味しかった。
 体調は、ほぼほぼ戻る。熱もすっかり下がった。ときどき咳が出るくらい。
 木皿泉脚本のドラマ「富士ファミリー」。このお正月にも新作の放送があるらしい。今年の放送分を見逃していたので、予習のためにみる。やはり、すきな脚本家。
 夕方。松本隆目当てで録画しておいたNHKのインタヴュー番組をみる。「詩(詞)は、雑念が沈殿するまで待って、上澄みだけをすくう。(意訳)」という部分に、大いなる共感を抱く。
 夜、スキヤキ。地元産の、ちょっといい牛肉で。大晦日だし、ふんぱつした。
 かりてる映画のDVDをみてもよかったのだけど、それもなんだし。結局、NHK紅白歌合戦をみる。
 椎名林檎、よかった。喪服を着て、かつて行動を供にしていた東京事変の面々と、あの輝かしい青春の日々を葬る。1週間ほど前に同じ歌をSMAPと一緒に唄っていた事実を加味すると、SMAPに対するレクイエムを意味しているようにも思えた。あれだけちやほやして作り上げた国民的アイドルを、紅白に出ていた誰もが口にしない。椎名林檎だけが、その欺瞞を暴いているようにも思えた。まあ、考え過ぎだろうけど。
 年越し蕎麦は、有希の提案でざる蕎麦つけ麺にして食べた。わさびをたっぷりきかせたら、美味しかった。蕎麦湯も。
 「ゆく年・くる年」をみて、就寝。

12月30日(金)音楽は時代を超えて循環する

 床に伏せって何日めなのか。年末ということもあいまって、もはや曜日感覚なし。
 インフルエンザ、まだ完治せず。熱が残っている。
 朝ごはんか昼ごはんかもわからないまま、昨夜と同じメニューでとにかく食べる。
 寝てばかりいるのもいいかげん飽きたので、とあるお店の方から頼まれている選曲の仕事をする。ベッドの中にiPodを持ち込んで、候補曲を片っぱしから拾う。
 ぼくのすきなフランスのSARAVAHレーベル。今回は、そこから選曲することにした。レーベル主であるPierre Barouh氏逝去のニュースが、昨日伝えられたばかりである。R.I.P.
 音楽は、時代を超えて聴かれ続ける。ある時代の記録が、また新しい世代の記憶にもなりうる。ぼくが音楽をすきなのは、そういうところ。 過去の音楽を指して「時代遅れ」なんて云う人は、音楽が持つほんとうの魅力を何ひとつ理解できていないのだ。
 夕方。食欲が戻ってきた。とりあえず、買い出しに出かける。産直でめぼしい野菜を買い込み、スーパーでその他の食材を買い込む。途中、ATMでお金を下ろしたんだけど、その向かいにレンタルヴィデオ屋さんがあるものだから、映画のDVDを思わず何本か借りる。これで、引きこもり準備は万端。
 帰宅後、トマトスープ鍋。〆のパスタを食べたいがための、お鍋。チーズがとろとろにとけて、美味しかった。
 映画を1本みる。気になっていた「ぶどうのなみだ」。雰囲気や物語はすき。でも、ここまで『おとぎ話感』出さなくてもいいんじゃないかとも思ったり。
 出演者の中に、1ヶ月ほど前逝去したりりィさんを見つける。彼女の音楽も、もうすこしちゃんと聴いておきたい。大すきな声の歌手。R.I.P.